6
金髪の少年が止まる。
肩より少し長くなった
触れたくてたまらない衝動を
「どんなことをされても、私だけはずっとあなたの味方だからっ」
――――視線を感じた。
きっとこの言葉を盗み聞いていたであろう誰かを想像し、パールゥは顔を赤くする。
だが、構わない。
少女の想いは、そんなものには構わない。
出来ることは全てやると決めた。
どんな強引な手でも、どんなに恥ずかしいことでも、やると決めた。
圭と同じく。
一番大切なものを、一番大切にするために。
一番欲しいものを、この手に
「――――」
……想い人は、結局一度も振り向かずに去っていった。
恋に
私は、彼をイラつかせただろうか。
でも、たとえ今は、そんな形だったとしても、
「……ケイ君」
彼の中のどこかに、私は
◆ ◆
「ぅわうんっっっ?! だ――だからあんたはいちいち私の頭をガシガシやんのやめなさいって言ってんだわよガサツ
(ちゃんと小声で叫んでるのがエリダのマジメなとこよね……)
「恋愛で失敗するタイプ。正々堂々過ぎて」
「誰の話してんのかしらァねリアちゃんっ?!」
「あなたのこと。だから今回も見てるだけなんでしょ。本当はあなたもアマセ君のこと」
「だッッッ?!?!ッまんなさいってばリア!!!」
「えーなになになになになに!? こいばなか!!」
「入ってくるなあんたがきたら
「なになになになになになにーーー!!!!」
「あーうるさいうるさいにゃんにゃんにゃんにゃんにゃ!!!」
「んー?! にゃー!!!」
「テキトーに話
「……で、どうなのよ。あ、あなたも好きなわけ? アマセ君のこと」
「ホラ来た。結局あんたもこういう話好きなクセに……で、あたしのことだっけ? あたしは、あの。分かんないのよ」
「……はぁ?」
シータが顔をしかめる。
ハネた金髪の少女は、バツが悪そうに頭をかいている。
システィーナが目をぱちくりさせ、口を開いた。
「分かんない?」
「だって、あたしそもそもそんな深くかかわったこと無いもの、アマセと。マリスタとかパールゥみたいに、自然と接する機会も多かったってんなら、話は別だろうけどさ」
「だから何なのよ? 逃げの言い訳にしか聞こえないのだわ」
「ひねくれ娘は
「『好き』の確信、か」
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