13
――――最初の
異常に気付く。苦しさは心臓から。
心臓を
苦しい。苦しい。あれ、これ、苦しい。
どうして苦しさが消えない。こんなに、こんなにちゃんと呼吸しているのに、酸素は体に取り込んでいる
苦しい、
苦しい、
苦しい。
心臓が、心臓が酸素を、空気を、呼吸を受け付けてくれない。
どうして――――なぜこんな、呼吸が、呼吸が浅く、心臓が早く、裂ける、止まる、止まるとまる、このままでは心臓が止まる、死ぬ死ぬ死ぬ、なんで、何が原因でこんなこんなにも熱く、
炎が、怖い?
熱が視界のオレンジと共に消え失せる。
途端心臓が空気を思い出し、俺は
胸の苦しさは呼吸の度に小さくなり、やがて消えた。
「……やはりそうか。いいや、これまで
「トラウマ……」
「『痛みの呪い』、そして
「お前の、ぜつぼう、」
「私の道に、お前は居た。だからお前に魔王を望み、導いた。だが、今はもう違う――――私の道を
「――――リセル」
「じっくり考えろ。そして選ぶがいい、望む
「リセルッッ!!!!」
「さようなら。圭」
リセルが目を閉じる。
リセルが、
「――――うん。体にはまったく以上、ないみたいね。私で検査できる
パーチェが、目を開けた。
…………道は、閉じた。
「――――――…………」
「? どうしたのアマセ君、何か――」
応えず、出口へ向かう。
通路を通り、魔石を乗り
自室の扉を開け、閉める。
いいや。
音。
耳障りな大きい音。
痛み。
音と共に手に伝わる、痛み。
声。
誰にも届かない、大きな声。
何がいけなかった?
俺は一体、何を間違えた?
〝――ごめんなさい、圭。ごめんなさい――――〟
ふざけるな。
お前の都合で、生かしておいて。
お前の都合で、こんな場所に連れてきておいて。
〝お前はどうしたい。圭〟
〝お前は魔王になるんだ、圭――――なればこそ、私は魔女となってお前と一つになろう〟
お前の都合で、散々人を
散々、希望を与えておいて。
それを、今になって
余りにも――――余りにも、
〝――ありがとう、リセル。俺をここへ連れてきてくれて〟
「……ちがうっ、」
ふざけているのは、俺だ。
〝
都合がいいのは、俺だ。
希望を与えたのは、俺だ。
〝
裏切ったのは、俺だ。
〝――――ていてくれて、よかった〟
〝――な、何だと?〟
あいつはあのときから、いつだって。
なのに、俺は――――
〝――
「――俺が、
――口に出して、改めて実感した。
俺の希望は。
この命の意味は、何もかも消え失せてしまったのだと。
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