7
「なんだも何も、
「歌姫……悪いが聞いたこともないな」
「えぇー……ま、まあ興味のない人にとっては、そんなものなのかな……」
「そんなに有名なのか」
「もちろん。プレジアの外でも歌ってるし、卒業したら全国デビューの予定なんだって。…マリスタ達もファンなんだよ」
「お前は?」
「もちろん、好きだよ。前夜祭のライブにも行くつもり……だけど、チケットが
「そうか」
「きょ、興味なさそうだね」
「そうだな。ライブというものに一度も行ったことが無いのもある」
「……そう、なんだ」
「っと……よし。これなら大丈夫だろう?」
視線を向けると、パールゥが我に返ったように目を
「あ、えっと。そうだね」
「じゃあ終わりだ。戻ろう」
掲示板に背を向ける。
仕事が終わった以上、ここにはもう用もない。
ローブの
「……アマセ君。こっち、通らない?」
振り返ると、少し
少し遠回りな道だ。
「………………」
……取り
「急がないといけないだろ。遊んでいる
「あっち。見て」
パールゥが、俺の
どうにか理由を付けて回り道をしたいようだが、俺にそんな理由は何も――――
――――不用意に目を向けるんじゃなかった。
目線の先。
ひとつ間違えば、こうやって通りすがりに十分見えてしまう場所で――――
二人は――――一体何をしていやがる、バカップルめ。
「っ……
「う、うん……っ」
二人、
決定的なものが見えた
女の方も男の背で隠れて見えなかったし、俺達はただ顔を
〝――ごめんなさい、圭。ごめんなさい――――〟
少し、口付けをしていただけじゃないか。
…………誰に何を言い
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます