3
〝もし、あの子がアマセ君に気持ちを伝えてきたら……一生懸命、言葉を選んで、応えてあげてね。……いつもみたいに、
……おいおい。別に今、思い出さなくったっていいだろ。
教室
廊下の至る所にも装飾が
学祭本番まであと一週間。たった三週間
だから、誰も見ていない。
見ていない
どうも変に、パールゥに置いて行かれている自分を意識してしまう。
せめていつものように、向こうから声をかけてきてくれれば多少は気安いものを。
……イカン。
これも『痛みの呪い』の作用なのか、どうも最近
ふとしたことで感情が乱れてしまうことがよくある。
これまでは
ただでさえ、感情を激しくすると呪いの
「アマセ君、大丈夫?」
「っ!」
――――パールゥが、先のナタリーとは比較にならない
心臓に悪いからやめていただきたい――――
――心臓に悪いのか? 俺よ。
「少し休もうか?」
「い……いや、大丈夫だ。問題n」
「大丈夫って顔してないよ。ほら、貸して」
「あ……!?」
パールゥの両の手が、ポスターの束を抱えていた俺の手に重なり。
そこから手を滑らせるようにして、抱えていたポスターをパールゥに
「ごめんね、全部持たせちゃって。
「や、しかし」
「そんなに大した距離じゃないし。それに、私は図書委員会でいっつも重い本を持ってるんだよ? このくらい、どーんとこいなのですっ」
「そ……そうか?
「んー、本くらいまとまったものだといいんだけど、紙の束には使ったこと無いから……いきなりやって失敗すると、後が怖いよね」
「そ、それもそうか」
「……本当に大丈夫?」
「ああ。大丈夫」
「ふーん……心配だなぁ。アマセ君、すぐ無理を隠そうとするんだもん」
「逆に無理を全部ひけらかすのもおかしな話だろ。マリスタくらいなもんだそんな
「ふふっ、そうかもね」
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