8
去っていくギリートから視線を移し、ヴィエルナとパールゥを見る。
パールゥは少し離れた椅子から少し身を乗り出し、
俺の視線に気づいたパールゥが小さく首を横に振り、そして
よくわからないが、恐らく……俺は
何より、こんな時なんと言っていいのか
「……じゃあ、今日はこれで戻る。元はと言えば、俺が居眠りをしたのが間違いだったな。悪かった。
「ふふ、やっぱり
「ああ」
少し鼻に落ちた
男子寮への入り口を示す大きなプラスチック
気温的には、
屋内とはいえ
……ナイセストはもういない。
俺だって、奴に訊きたいことは
だからきっと、ヴィエルナはそれ以上に。
だけど、もう届かない。
今の世界が激変するような何かが無ければ、
先が無い。
もう何も、知ることが出来ない。
その地獄は……
「ん、おかえり。ごめんね、
「ああ」
「ちょ、そこは切り返してくれないと困るよ。僕がヤな奴みたいになっちゃうじゃないか」
「ああ」
「……そこもヤな奴だろ、って返して欲しかったんだけどな、僕としては。なんか
「……ああ」
「やっと返事に火が通った。
「同じ?」
「うん。…………言ったでしょ。君にはまだ話しておきたいことがあるって」
テーブルに寄りかかり、こちらをむいて意味ありげに
こいつの動きは
もっと
ギリートの目が
「……『ティアルバー』は
「は?」
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