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「相変わらず元気ないな。ホントに大丈夫か?」
「気にするな。
「普段から元気ないって
「ああ」
「わざわざ学校の外から医者が来てたもんな。そりゃすぐには治らないか……あの時、本当にもうダメだと思ったよ」
「……ああ。俺もだ」
「……俺みたいなのが、こんなこと言うのもアレだけどさ。生きててくれてよかったよ」
「リアクションし辛いことを言うなよ」
「ハハ、俺も言ってみて思ったわ。ガラにもないこと言った、忘れて」
「忘れた」
「ちょっとは覚えてろよ……」
「アトローっ、おはよー!」
転移魔法陣が発動し、
途端、周囲が《とたん》
正面から聞こえた
「うわ!?」
「…………」
…………視界の
「なに驚いてんの。そんなコワくもないでしょう」
まん丸な可愛らしい目でぎょろりとアトロを
アトロは顔を
果たせるかな、その中からは――――ドレッドヘアを後頭部で一つに束ねた色黒の少女、ケイミー・セイカードが現れた。
「ケイミー。かぶりものしたまま歩くのは危ないって言っただろ」
「あれ、そうだっけ?」
ヘラヘラとした笑顔でケイミー。
ああ、眠い。
「あれ、アマセ君は興味なし?」
「なしだ」
「もー。ちゃんとクラスの出し物は手伝わないとだめだよ? ほら、みんなもこんなに――」
――ケイミーが親指で、俺とアトロに背後を見るよう
面倒だな。
そんなことをされずとも見えている。
「――楽しみにしてるんだからさ。『プレジア
セントラルエントランスに広がる光景。
日頃は色とりどりのローブの学生が行き来し、
そこが今や、ジャンルも大きさも様々な着ぐるみを着た人々が
人々の賑わいも
プレジア大魔法祭。
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