一瞬――――最強を超えろ
白が目を見開く。
俺も目を見開いた。
死を――三撃目を止めていたのは、俺の手に握られた俺の剣。
止まるな。
まるで、背の
「っ!」
初めて、
止まるな。
止まるな止まるな、
「止まるなァ――――――ッ!!!!」
誰かの声。
と共に、俺は弾けるように――――
「――ハハハハハハっ、ハハハハハ――――ハァッ!!」
ナイセストはその一撃を、事も無げに打ち返し――――赤黒い
十五合、十八合、二十一合。
後退はない。
二十六合、三十七合、四十三合。
前進も無い。
折れる。
その場所が、互いにとって
錬成。
魔力をゼロにした。
四十九合、五十二合、六十四合、
体力をゼロにした。
六十九合、七十四合、八十合、
奴の力は、考え
あとはただ、剣を振れ。
八十六合、九十一合、九十八合、
そして超えろ。
一瞬でいい。
たった一瞬だけ、最強を超えろ――――!!
◆ ◆
「止まるなァ――――――ッ!!!!」
声の主は、
「お――おいおいおいっ」
「危ないよテインツ、せめてもう少し離れ――」
ビージとチェニクは
「っ、」
「……テインツ、おめえ、」
あまりにも
「――――――ッッッ」
二人の声に、テインツは応じない。
応じず、ただ
「――がんばれっ。がんばれアマセェッッ!!!!」
『!!?』
ビージらが予想だにしなかった言葉を、会場中に
「頼むッ……勝てッ!! ティアルバーさんを……プレジアを
その声に驚いたのは、二人だけではない。
スペースを囲っていた風紀委員。
観覧席にいた貴族、「平民」。
食堂で試合を見守るマリスタ達。
映像を見守るプレジアの者達、すべてが聞いた。
そして義勇兵コースの貴族たちは知っている。
ケイ・アマセが、テインツ・オーダーガードの剣で戦っていることを。
ケイ・アマセが今、テインツの願いを
「…………やれ、」
「ロ――ロハザー?」
「やってやれ、アマセ――――そのままブチのめしちまえッッ!!」
『!!!!?』
マリスタが
「いけぇっっっっ!!!! がんばれぇぇぇケイィぃッッッ!!!!!」
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