双剣――――猿は異世界に手を伸ばす
剣を合わせる。
ひと
心底恐ろしい。
奴の動きは間違いなく俺より
当然だ。魔力を切れさせ、体を
だというのに、奴はまだああも動けている。
俺を押し返すほどの魔波を放っている。
考えられるのは――ナイセストに浮かぶあの
あんな魔法を俺は知らない。
知らないが、あれが倒れたナイセストを再び立ち上がらせたギミックには違いない。
そしてそのギミックは――
「ッッ!!!」
ナイセストの頭部で黒い
きつく両目を閉じて
足の
「ッ――――づァッ!!」
「!! くっ」
闇が
そして
顔に血管を浮き上がらせたナイセストが、驚くべき速度で体勢を立て直し、その一撃を弾き返す。
吹き飛んだ俺を
空で
出たか。
空で押し負け吹き飛ぶ体。
二倍の
二倍の
二倍の――
追いつく道理などある
氷の
「ッ――ぁ、」
「ぐ……ァ――!!」
ナイセストの
視界に飛ぶ氷の
右手を見るまでも無い。
無理な姿勢で構えられた氷の剣が
「――折れたな。
「………………」
……それだけで済んだのは
瞬間的とはいえあれだけの
昨夜のテインツとの
「――……」
奴の剣を見る。
両手に一振りずつ握られた
そこで、やっと
ああ、なんてバカ。
俺はまだ、
「…………」
「ッ……さあ、どうする。もう終わりか? 終わりなのか、ケイ・アマセッ」
息が
魔力の流れに
使える
ナイセストがゆらりと体を起こし、
その
「――――終わらないさ。いや、
「じゃあ見せてみろ。でないと――――終わるぞ、そらッ――――!!」
ナイセストが迫る。
バケモノだ、お前は。
でもだからこそ、テインツと戦ったあのとき、
「――目の前に、こんなにも行きたかった
突き出した
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