追憶――――彼が生きていた世界
◆ ◆
父は、
〝勝ち続けろ。そして得続けるのだ、テインツ。あらゆる力を〟
〝負ければ、お前は全てを失う〟
〝すべて、すべて失うんだ!!!!〟
力や権力を持たない者を、それが
たとえ親族であろうと、
だから――――
そんな父の足にしがみつき、蹴られて
父のようにも、母のようにもなりたくはなかった。
ただ――――腕の中で
だから、がむしゃらに力を求めた。
プレジアの中では、
そして世界には、思ったより「父のような」人が多いことを知った。
だから、
力のある人に取り入るため、何だってした。
同じ貴族の仲間を作り、力のない「
彼らの
その中で結局、
オーダーガードを、妹を守る力を得る
そう、たとえ似ていようとも、僕は父とは違う。
僕にとって一番大切なのは
一番になろうなんて気はなかった。
いや――――なれるはずはないと、
〝見ろ、テインツ。あの方々が「
初等部に入ったころから、
実力でも、地位でも――僕は
だから僕は、その他大勢の貴族達と同じように――その目の届く所に、息のかかる範囲に、僕の居場所を
力を求め、
継続は力なり、とはよく言ったものだ。
仲間、力、地位、居場所。気が付けば、僕はすべてをとりあえず手に入れていた。
「中等部か――かましてやろうぜ、テインツ!」
「ああ、ビージ」
そうして、僕は子どもなりに
そこでも僕は、
気をおかしくした「母親だった者」が、家を
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