8
「あのときの君は、どこかくすんだ目をしていた。進むべき道が見いだせないまま、このプレジアの門を叩いたのだと、そう思いました」
「………………」
「ですが、今は違う……君の目は、
クリクターはが手を広げる。
そして俺をスペースへと――決戦の場へと
「
「――――――」
……義勇。
今初めて意識したそんな言葉を、俺は――意識の
スペースへ歩く。
〝その試験はトーナメント形式で、個人の総合的な戦闘能力を問われる〟
決勝戦の場へ。
〝ま、いつも優勝争いをする者は決まっているようなものだがな〟
プレジアの最強が――ナイセスト・ティアルバーが待つ場所へ、俺は歩いている。
〝奴に並ぶくらいにならなければ……お前の底も知れるというわけだ、
そんなことを言われたのが、
〝とりたてて強いわけでもなくて、通訳魔法も使えないくらい魔法に
決して
まるでこの
世界は次々俺に
〝終わりだよ、能無しの『平民』。安心して、今……二度と
〝
〝近く我々は、君をこのプレジアから永久追放することになる〟
〝私は無茶するあなた……また、止めるね。今度は本気の本気で〟
〝人間を
〝無駄に波風立ててないで逃げろバカ野郎が。テメェがもう少し物分かりよく
〝あんたに――
力を求めれば求める
出来る
だけど。
〝もう
俺は、この歩みを誰にも止めさせなかった。
〝この――――――最底辺の
〝……
〝あ、新しい魔法っ!? そんなの、ヴィエルナちゃんの時は使って――〟
〝殺してやる殺してやるぞアマセェッッ!!!思い知れ思い知れ貴族とカス共の天と地の差をそのふざけた態度の隅々にまで叩き付けてやるアアアァァァァァ――――――――!!!〟
〝まいった〟
今、誰一人としてこの歩みに
〝殺す〟
俺は何の力も持たなかったあの日と同じ
スペースへ入る。
定位置に着く。
「――――――――――」
「――――――――――」
最強に、向かい合う。
〝勝てるとは思っていないがな〟
〝確かに貴方は、グレーローブのヴィエルナ・キースといい勝負をしたかもしれません。でもその強さの
〝……私、やっぱり君はナイセストに、勝てないと思う〟
〝ティアルバーさんと、戦うだって?
〝お前さんがティアルバーに勝てる道理なんぞ一ミリたりともねぇって言ってんだよ〟
どちらともなく吹き荒れた
言葉を交わしたことも無く、
戦う理由に
この戦いの果てにあるのは、ただ――――
〝魔王になるんだ、圭〟
魔王へ踏み出す、一歩だけだ。
「――――では、決勝戦――――――始めろ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます