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何も
「! ビージ……
視線を交わした二人は互いにしばし黙り込み、ややあってビージが口を開いた。
「……さっき目ェ覚めたんだ。……さっきの試合が、終わる直前にな」
「さっきの試合」。
ビージの、チェニクの顔が
誰の
ヴィエルナの手足を
誰も何も言わない。
マリスタが、
未だ誰も出てくる気配は、ない。
「黙ってねぇでよ……誰か教えろよ。なんでキースはティアルバーさんと戦ってたんだ。なんでティアルバーさんはキースをあんなに――!!」
「
(…………「もう、解らない」?)
ロハザーの言葉が止まる。
不自然に切られた声に、全員が耳をそばだたせる。
(……もう解らないも、何も。俺があの人を
ロハザーが、風紀委員達を見回す。
誰一人、今のナイセストを
(…………「
これまでのナイセストを知る者さえ、そこには誰一人居なかった。
「――違う。最初から知らなかったんだ、俺達は。俺らはあの人を……ナイセスト・ティアルバーって
ロハザーの声が場に
その言葉に
「話そうよ。それじゃあさ」
――言葉の意味が理解できず、風紀委員達はただマリスタを見た。
マリスタが
「……やっと言える。ティアルバー君はやっぱりおかしいよ。貴族だとか『平民』だとかのことは私、全然分かんないしけどっ。ティアルバー君が間違ってることだけは、今はハッキリ
「ま、マリスタっ――」
しかし、その声に応えたのは――チェニクだった。
「無理だよ、そんなのは」
「無理ってどういうことよ」
「僕――僕は。あの人と話したくなんてない。殺されたくない――
チェニクが風紀委員達に投げかける。誰もが目を
マリスタが顔を
「何言ってんの――ビビってんじゃないわよこんな時にっ! あなた達、みんなヴィエルナちゃんのやられ方を見たんでしょう!? それでそのザマなワケ!?」
「失うモンが何もねェ奴は気楽でいいよな」
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