12
「――」
一瞬の
――拳よりも
誰の目にも明らかなほど、
「――そこだ。いけ…いけっ!!!」
「ヴィエルナッ!」
マリスタとロハザーの叫びに
拳を下げぬままわずかによろけたナイセストの顔面へ、灰の右肘はまっすぐに吸い込まれ、白は、
白は、くらった。
『!!!!』
時が止まる。
それまでの
彼の左頬を貫いたまま動かないヴィエルナ。
「――――でも私は、何よりも……」
彼女は、
「あなたの笑顔が見たいよ。ナイセスト」
切なげに、口にした。
緊張の会場に響く声。意味を
そんな、予想もつかない試合の行く末を、誰もが
「――――
プレジア学校長、クリクター・オースが、おもむろに横を見る。
声の主――――ディルス・ティアルバーは、この上なく楽しそうに、
笑い声を聞いた者達が戸惑う。
声の主を認識した
実の息子が――これまで
そして――――その声は、
視線が再び、ナイセスト・ティアルバーに集中する。
ヴィエルナがゆっくりと体を戻す。
その
「……
「……!?」
「お前が俺を
「――――」
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