3
言葉の一つ一つに
魔女はそれを
「結果はあなたも覚えているはずよ。アマセ君の練った
〝
「!!!!!」
少年の体がビグリと
魔女は続ける。
続ける。
「さて、その時ティアルバー君はなんと言ってたんだっけ」
(やめてくれ)
「――そうそう。確かこう言ったのよね」
(やめて)
〝お前のそれは
――滝のような汗を流し、
なんなのだ。
どういうつもりなのだ、この女は。
「どう? 改めて考えても――今の状況って全部、あなたのせいじゃない? あなたは思い上がりで人を傷つけて、家の名にも風紀委員の名前にも泥を塗った。だから裁かれ、相応の結果が訪れた。そこには何の
「やめろ……!」
魔女が目を細め、のびた
「
「やめろやめろやめろ!」
「でも
「黙れッ!! もう黙ってくれッ!!! さもないと、貴様――」
「居る
少年は
机が小さく吹き飛び、
少年は散らばった治療器具を少し見たが、すぐに目を怒らせて眼前の女医を
「すごいわね。
「!? 、」
呼吸が止まる一瞬。
声色に確かな
校医がゆっくりと一度、
割れた
「……あなただけを責めても仕方のないことよね。忘れて。起きてしまった不幸の原因を探したって、ただ不毛なだけだもの」
校医が人差し指をクン、と曲げると、呼応するかのように机が、治療器具が浮かび上がり、元の位置へ、元の状態へと戻っていく。
彼はその様子を、ただ
「あなたはこの子と違って狂わなかったんだもの。その命を大切にして、息をひそめて生きていくのも悪いことじゃないと思うわ――――友達はしばらく目を覚まさない。これからどんどんケガ人も増えてくるわ。あまり長居はしないでね」
そう言い残し、校医パーチェ・リコリスは救護スペースを出る。
「ああそうだ、」
「……?」
「あなたはあの時アマセ君に勝ったけど、見ての通り、彼もそれなりに強くなったみたい。今日はティアルバー君とアマセ君の戦いも見られるかもしれないわね。貴族と『平民』の全面戦争に決着がつくって、プレジア中が
動けない少年。
パーチェは含み笑いを残し、その場から去っていった。
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