3
吹き飛んだロハザーが
着地したマリスタが手を広げる。
地面で水たまりと化していた
「私にヒントをたくさんくれちゃってありがとね、グレーローブさん!」
「………………、」
「『
「…………っ」
「そしてもうひとつ。あんたの気持ちになって考えてみたんだけど――――私、
「…………!」
「…………動けなくって当然よね。ただでさえ私も動いているのに、あんたまで動いたらそれこそ全然当たらなくなる。魔力消費は激しいのに!」
したり顔のマリスタを、ロハザーが怒りと不安がないまぜになった表情でにらみ付ける。
マリスタがますます得意げに笑った。
「黙ってるとこを見ると、間違ってないみたいね――思ったより使い辛いんじゃん、雷属性って!」
「……………………」
――ロハザー・ハイエイトは、追い詰められていた。
これまで圧倒的に
ここまで一撃さえ与えられないままにロハザーの的となっていたマリスタ・アルテアスが、全力を
だというのに、彼は追い詰められている。
(どうしてだ。なんで俺は、こんなに崖っぷちにいるような気持ちになってるッ!? こんな、こんなエセ
「
「――――――」
――絶望の表情。
ロハザーは、マリスタの晴れ晴れとした語気に打ちのめされ、
「……どうしてって、決まってるじゃねぇか」
気付こうと思えば、すぐに気付ける事実。
だから、ロハザーは容易にたどり着いた。
本来、互角さえあり得ない相手。
在り得てはならないほど、実力も経験も
そんな相手と、時間いっぱいの戦いを続けている。
その事実は取りも直さず、ロハザーの
〝お前は弱い〟
「ふざけんじゃねェぞテメェエエェェェッッッ――――――!!!!!!!」
「!!?」
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