3



「まあ、魔女になんてそうそう会うことはないとは思うがな。……じゃあついでに、そこで体をかたむけて固まってる大貴族の令嬢様れいじょうさまにも聞いてみようか。なあオイ、アルテアスッ!!」

「ひぃ??!」



 ファレンガスの、マリスタへの叱声しっせいで我に返る。

 当然のように、令嬢様はその後の質問には答えられなかった。



 一コマ九十分の授業の時間は飛ぶように過ぎ、休み時間。

 俺のいた高校と同じく、休み時間は十分じゅっぷん。授業の準備をしていたらあっという間に終わってしまう時間だが――



「ねえねえ! ケイ君ってこの学校来たばっかりなんでしょ? よかったら今日、あたしらが案内してあげようか?」

「えーっ、ズルい! ねぇケイ君、私もついてっていい?」

「とか言ってぇ、あんたケイ君とお近づきになりたいだけでしょ!」



 騒いでいた女生徒達に囲まれる。俺のいた高校と違うのは、そいつらが色とりどりのローブの色と髪色をしていることくらいだ。……逆に言えば、後はほとんど変わらないように見える。

 学生という生き物は、やはり「休み時間」を全力で休もうとするものなのか。



「はいはいはーい。どいたどいたー、みなさーん」



 そんな人だかりをぐいぐいと押しのけ現れる、マリスタ・アルテアス。



「いったぁい。何すんのよマリスタってば」

「ふふ……案内とかはね、ケイには必要ないの。なぜなら学校の中は……この私が全て案内し終わっているから!!」



 胸に片手を当て、勝ち誇ったようにマリスタが言う。とてもとても誇らしげに。一体何をそう誇ることがあるだろうか。今に気付くだろうが、俺と親しいことはこの先こいつらにとって何のプラスにもなり得ない。

 しかし、女子達は相当なショックを受けた顔でガクリと地面にひざをつく。

 たぶん、マリスタと仲がいい生徒なのだろう。



「ま、マリスタ。あなた……アマセ君と仲がいいの?」

「へっ?」



 パールゥに話しかけられ、頓狂とんきょうな声を上げるマリスタ。



「あ、いやその。深い意味は全然ないんだけど……アマセ君、リシディアに越してきたばかりだって紹介されてたじゃない? なんでマリスタと知り合いなのかなって」

「ふふふ……ごめんねパールゥ。それは言えないのさっ」

「たまたまだよ。ディノバーツ先生を頼ってリシディアに来た時、彼女も先生の所にいて」

「言わないでよっ?!? 私の優越感ゆうえつかん返して!!」



 もう少し欲望をオブラートに包むなりなんなりしろよ。丸出しかお前。



「そ……そうなんだ。アマセ君が最初から知り合いだったのは、ディノバーツ先生なんだね」

「知り合いというか、家同士の古いつながり……らしい。俺もくわしいことは知らないんだ」

「それじゃあ……アマセ君は、実は名家めいけのお坊ちゃまだったりするの?」



 そう言って現れたのは藍色の髪を持つシスティーナだ。女生徒達が目をまん丸にし、こぞってこちらを見る。俺は苦笑いして頬をかいてみせた。

 その仕草だけで、システィーナは俺が何を言わんとしているかを察したらしい。彼女はハッとして口を片手でおおった。



「あ、ごめん。家柄のこととかは聞かないで欲しいんだったよね」

「いや、分かってくれたならいいんだ。気をつかわせてしまってすまない、システィーナ」

「あ、名前で……ううん。大丈夫」



 どこかポカンとした顔でこちらを見た後、取りつくろうようにシスティーナが言う。その表情の理由を聞こうとしたところで、始業のベルが鳴り、集まりはお開きとなる。



 その後の休み時間もおおよそそのようにしてつぶれていき、ごうを煮やしたマリスタが昼休みに俺を食堂へと半ば強引に連れ出し――このときばかりは、連れ出し「てくれたおかげで」――、質問攻めから脱出だっしゅつ出来たのだった。




◆     ◆




「ったくもう、あのミーハー共ときたら! ケイがイケメンだからって食いつきすぎなのよ!」

「……お前は違うのか?」

「だから何なのサあんたもそのよゆーはっ?!」



 バン、と机を叩くマリスタ。味の薄いパンに豆類の入った豚骨とんこつ風味のスープ、牛乳、そして見たことがない色をした果物の盛り合わせ、という昼食の入ったトレイが机上きじょうで跳ねる。行儀ぎょうぎが悪い。



「大体、ケイもケイなんだからね! なんなのあの自己紹介! ネコ何匹かぶってんのさ!」

「スープ冷めるぞ」

「それはいけないわずずず……じゃなくて! ごまかさないで!」

「別に誤魔化ごまかしてる訳じゃない、事実を言ってるだけだ。確かにスープは冷めてしまうし、ていに言って俺はモテる。それを最大限利用するのは当然だろう」

「自分で言ったよこの人!!!!」

「自分のスペックを自分でしっかり測れてるのは大事だと思うがな……お前のように損をしないためにも」

「わ、私が損??」



 俺が何を言っているのか、どうやら本当にわかっていない様子のマリスタ。そんなしかめっつらでさえ、見る人の心を惹き付ける魅力を放っている。

 その上、四大貴族のアルテアス家。つまり、魔法の分野においても並々ならぬ才能を持って生まれた存在であるということだ。

 つまりそれは望み、行動すれば――こいつのスペックをもってすれば、瞬く間にレッドローブから脱し、頂点に至ることだって可能なのではないか、ということ。



 容姿、才能、財力。全てを彼女は兼ね備えている。魔法の「ま」の字も知らない俺とは大違い――テインツに言われるまでもなく、俺からすれば雲の上の存在――な、はずなのだ。

 ……まあ、それでも幸せな日々は送れているようだし、こいつには取り立てて言う必要もないのかもしれない。しなくていい努力なら、無理をする必要もない。



「にしてもケイ。あなた、本当に記憶をなくしてるの?」

「……どうしてそんなことを聞くんだ?」

「いや、だってさぁ。もぐ。おぐっ……っんぐっ?!?」



 大きなパンの塊をごぶりと口に詰め込んで、案の定目の前で胸をドンドンと叩き始めたマリスタ。なんてベタな。

 水差しを手に取り、マリスタのコップに水を注ぐと、ものすごい表情をしたマリスタがそれを一気に飲み干し、一呼吸おいて大きく息を吐き出した。



「はぁっ、はー、はー……ハハ……助かったわ、ケイ」

「……いや、いいよ」

「あーっ、まァたそうやって人のことを可哀想な目で見るーっ」



 可哀想どころではない。もはや憐憫れんびんである。

 が、そんなことを言ったところで詮方せんかたない。



「で? 俺の記憶喪失を疑ったのはどうしてだ」

「あ、そうそう。ケイさあ、なんで勉強できるの? 午前中の二つの授業、特に歴史なんてすっごくスラスラ答えてたじゃん」

「勉強したんだよ。時間割も出てるんだ、予習くらい出来る」

「げーっ、予習?! うわ、私生まれてから一回もやったことないよ!!」

大袈裟おおげさな……」

「いやでもさぁ、予習したからってあんなスラスラ答えたり質問したり、出来るもんかなぁ? 実はちょっと思い出してるんじゃない?」

「さっぱりだ」

「…………」



 ジト、とマリスタが、疑いとは違う種類の目線を投げてくる。

 スープを飲み干し、その目を見返した。マリスタが少したじろぐ。



「何か言いたいことがありそうだな」

「べ、べつにぃ。ただ、ケイは天才なんだなって」

「……天才?」

「うん、天才。ちょっと授業の範囲を予習しただけで、あそこまで立派に質問に答えたり質問したり、私には絶対できないもん。いやぁ~うらやましいですなぁ。私みたいなバカとは大違いだよー」



 ……ヘラヘラと笑いながらマリスタ。



「……馬鹿なのは知ってたよ」

「うーわ、なによそれぇっ」

「いいじゃないか。現時点で馬鹿だってことは、まだまだ伸びしろだらけってことだろ」

「え」

「……何ほうけてるんだ。そんなに変なことを言ったか、俺は」

「い、いや……へへへ。なんか意外でさ。ありがとう、励ましてくれて」

「気休めじゃない。事実を言っただけだと言ったろう。……まあ、伸びなければならないのは、俺も同じだけどな」

「同じ?」

「ああ。一分一秒も惜しいよ」



 食堂のはりに設置された時計を確認し、空の食器がのったトレイを持って立ち上がる。

 まだ食事を残していたマリスタが慌てて声をかけてきた。



「えっもう行くの!? 私も……」

「やることがあるんだ。また三時間目にな」

「ちょっ――」



 人みを進むと、やがてマリスタの声も聞こえなくなる。

 目指す先は自室。早くあの歴史書の続きを読んでしまわなくては。




◆     ◆




「ほ、ホントに行ってしまった……うーむ。天才の思考は常人と違う、というけど。なんだかなぁ」




◆     ◆




 午前二時間、午後は三時間の授業が設けられている。ここからはコースごとに受ける科目のレベルが違っており、皆ローブの色で分かれて行動する。

 しかし今日は、ローブ別の授業は予定されていないらしい。



「魔術師コースの子たちは次の教室へ。義勇兵ぎゆうへいコースのみんなは訓練施設へ移動して」



 シャノリアの声で、クラスメイト達ががやがやと移動を開始する。

 俺が近寄る前に、シャノリアが声をかけてきてくれた。



「さ。あなたも義勇兵コースになっているから……あっちの子たちについていって」

「訓練施設も階層が分かれてるよな。時間割通り、今回は第二十三層でいいのか?」

「ええ。……義勇兵コースの演習授業は、ローブの色によるクラス分けはないわ。今回は担当がザードチップ先生だから、色々と取り計らってくれるとは思う……たぶん」

「……自信なさそうだな」

「うふ。……って、冗談はさておいて。一度、しっかり見てくるといいわ。自分が志望したコースに、どんな人たちが所属しているのか」



 声のトーンを落としてそう言うと、シャノリアは魔術師コースの生徒達と共に去っていった。俺はセントラルエントランスへと続く転移魔法陣てんいまほうじんに乗る。

 様々な色のローブと、よく分からない言葉であふれる人波に流されながら――通訳つうやく魔法を使っていなければ、まだ言葉は全く解らない――魔法陣を乗り継ぎ、プレジア第二十三階層、「訓練施設」へと辿り着いた。



 そこには、一メートルほどの壁で円状に囲まれた、十メートル四方のスペースが数多くある。壁にはそれぞれ魔石がいくつか埋め込まれていて、「使用中」――つまり、そのスペース内で魔法や戦闘の訓練が行われる間――になると、魔石を起点として物理・魔法障壁しょうへきが発動、スペース外部には被害が届かなくなる。この中で、義勇兵コースの傭兵候補生せいと達は己の技をみがき合う、というわけだ。



 見れば、全員がローブの下は動きやすい、ジャージのような素材のものを着ている。それでもローブを脱がないのは――プレジアが抱える傭兵ようへい集団「アルクス」の標準装備が、魔法・物理攻撃に耐えうる特製とくせいのローブだかららしい。



 皆にまぎれ、見よう見まねで準備運動などをしていると、入学検査以来、一度も見なかった寝ぼけまなこ――教師の証である黒ローブを着たトルト・ザードチップが現れた。義勇兵コースの教師をするということは……やはり、戦闘に特化した教師なのか?



「今日はひたすら、一対一で模擬戦もぎせんをやってもらう。各々おのおの手合わせ相手を見つけて三分ずつ模擬戦闘、終わったら相手を変えて繰り返し、時間いっぱいまで。基本的に休憩きゅうけいはこちらから指示しない、必要だと思ったり、相手が見つからなかった可哀想かわいそうな奴から休め。以上、始めろ」



 投げっぱなしに聞こえる指示もいつものことなのか、早々に相手を見つけて散り散りになっていく生徒達。俺は当然のようにあぶれ、その場にトルトと二人になった。



「……いやいや。何かしら動けよ、お前さんも」

「動くも何も、俺は模擬戦が出来るような段階じゃないんだろ、多分たぶん。今日は見取り稽古げいこでもするよ」

「見取り稽古ぉ? お前さんよくそんな言葉知ってんな、記憶ねーんだろ」

「本の知識だ。傭兵の戦いがどういうものなのか、ある程度調べたんだ。ただの知ったかぶりだよ」

「自分で言うなよ……ま、お前さんがあぶれるのは想定済みだったがよ。ホレ」

「?」



 トルトが投げたものを受け取ると、またも手のひらサイズの硝子がらす玉。

 またかよ。



「……いい趣味してるんだな」

「皮肉んなクソガキ。誰が趣味だよ、こっちは仕事してんだぞ。ったく……そいつはこないだの検査用の玉と違って、魔力を可視化かしかするだけじゃなしに、貯蔵ちょぞうすることも出来る魔石玉ませきだまだ。何個も持ってきてるから、お前さんはこいつにひたすら魔力込めてろ」

「……込めているだけでいいのか? 意味は?」

「自分で解んねぇ奴にゃ言いたくないね。込めてりゃ分かる、さっさとやれ」



 小さな魔石玉がいくつも入った袋を、コンクリートがむき出しの床にガシャリと置き、トルトは心底面倒臭そうに去っていった。俺は部屋のすみに腰かけて仕方なく魔石玉をにぎり、体内の魔力回路ゼーレを意識して――魔力を手に集める。

 一度馴れてしまうと案外早いものだ。間もなく、俺のあわい水色の魔力が魔石玉の中で光りだし、かすかに凍気とうきを帯びる。魔力の放出を止めても、検査の時のように魔力の光は消えず、玉の中で光り続けている。

 これを繰り返していけばいいんだな。



 魔石玉を握る。魔力回路ゼーレを意識する。魔力を込める。

 握る。意識する。込める。

 握る。意識する。込める。……



 最初は何の変化も起きず、ただ漫然まんぜんと時間が過ぎていった。だが……



「――は。はっ、はっ、はァ――っ、」



 数十分後。トルトが戻ってきた頃には……俺は既に、この鍛錬たんれん過酷かこくさを十二分に思い知っていた。

 息切れ。早い心音。震える体。まるで限界まで全力疾走しっそうしたときのように、体は疲労し腕は震え、魔石玉を支えるのでさえ精一杯な体たらくだ。

 そんな俺の姿を見て、トルトが不愉快な笑みを浮かべた。



「よう。随分ずいぶん疲れてんじゃねぇか。始まる時のいけ好かねぇ表情はどうしたよ」



 トルトの声は無視し、次の魔石玉に集中する。

 ……が、どれだけ踏ん張っても、もうその魔石玉を光らせるほどの魔力を集めることが出来ない。



「出せなくて当たり前だ。魔力ってのは言わば消耗品しょうもうひん。使えば使う程減って、最後には切らしちまう。お前さんの魔力は全部魔石玉そっちに移った、もう体内にほとんど残っちゃねぇ。おまけに精神と強くリンクした魔力だ、精神を極限まで削れば肉体もそれに引っ張られて大きく影響を受けるのは道理どうり。お前さんが疲れてんのはそういうわけさ。その感覚が魔力切れ限界ってことだと、よーく覚えとけ」

「これが……限界」



 魔力が尽きた、か。

 はは。

 いわゆる、MP切れ・・・・ってのはこういうことなんだな。



「魔法にも治癒魔法ちゆまほうっつー系統があるが、こいつは長期的に、治癒魔法に特化した別の鍛錬たんれんが必要になる。つまり、戦闘のプロを目指す傭兵に本格的な回復魔法はほぼ習得不可能ってことだ。自分で引き際を見極められねぇ雑兵ぞうひょうは死ぬぜ。あっさりとな」

「…………わかった」



 こればかりは、ただ受け入れるしかない。

 それほどに、トルトが俺に与えた鍛錬は合理的で、適正てきせいだと思えた。



 ――だが、それだけじゃ到底足りない。



「貯蔵した魔力は、自分の魔力なら吸収し直せる。疲労も多少は回復するから戻しとけ。出しまくったから入れる感覚も分かるだろ」

「魔力の量は、みんな同じなのか?」

「あ? 魔力量は個人によって大きく違う」

「最大量を伸ばしていくことは出来るのか」

「それなりにすりゃな」

「この魔石を利用すれば魔力の回復が出来るってことか」

「そんな長期の保存はきかねぇよ。つかお前、質問多――」

「精神を鍛えることでも魔力量はあげられるのか。魔力を――」

「う、うるせーな気色悪りぃぞ! しちメンドクセェ、俺の仕事はここまでだ後はテメェで勉強しろっ」

「お前は教師なんだろう。だったらサボらずに――」



 たじろぐトルトになおも迫ろうとしたとき。



 そいつらは、俺とトルトの横を通り過ぎた。



 最初に見えたのはグレーローブの二人。座り込んだ俺が見上げた先には、三人組の姿。



「――――」



 右は活動的な服装をした、頭髪がオレンジ色のソフトモヒカンになっている少年。

 左は黒髪のショートヘアで、動きやすそうな軽装をした大人しい顔付きの少女。

 そして中心には――頭髪が黒と白で二分された、癖毛くせげの強い鋭い目つきの少年。

 俺はすぐに、自分が真ん中にいる白黒に目を引かれたのだと悟った。

 左右の二人や他の生徒達とは明らかに一線をかくしたたたずまい。

 目線だけで、あの赤髪せきはつの男の襲撃を思い返させられる、心を恐怖にとらえる切れ長の目。

 そしてその少年がはためかせる――――



〝レッド、グリーン、ベージュ、グレー、そしてホワイト……この順で等級グレードが高くなるわ〟



 ――光に輝く、ホワイトローブ。



「…………おーおぉ。遅刻してその堂々とした態度、神々しいねぇ。サスガ大貴族ティアルバー家のおぼっちゃまはやることがちげぇ」

「っ! おい先生、いい加減アンタ――」

「ロハザー。いつものこと」

「お前はいいのかよヴィエルナっ! ナイセストはティアルバー家の公務で――」

戯言ざれごとに構うな。ロハザー」



 ホワイトローブの一言で押し黙る、グレーローブのオレンジ頭。

 ナイセストと呼ばれた男はトルトを一切無視しながら俺達の横を通り過ぎ――すれ違いざまに俺へ一瞥いちべつ寄越よこしたが、興味も湧かなかったのかそのまま通り過ぎていく。三人が足を運んだ場所では、グリーンローブの集団が彼らにスペースをゆずっていた。



「……あれが四大貴族、ティアルバー家の嫡男ちゃくなんだよ。関わんねぇ方が良いぞ。おーお、頭がてぇこった」



 気付いた頃には、トルトは俺の前から遠ざかってしまっていた。追いかけようにも、今の俺には立ち上がるだけの力さえない。俺は仕方なく魔石を握り、魔力を体内に戻す作業に入る。



 ――ナイセスト・ティアルバー。あのホワイトローブの傭兵は、どれほどの実力なんだろう。



 そんな疑問も、やがて目の前の鍛錬に飲み込まれ、消え失せた。

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