06



 そして、最後の三つ目にして、最大の分岐点。


 それは二つ目の不良を動かしていた黒幕の排除だった。


 考えてみなくても、影の存在は必然だった。

 わざわざ教えてもらわずとも、誰もがたどり着ける結論。


 ただの不良集団が、暴れる場所を求めていただけの者達が、私達のリーダーが懐柔出来てしまうくらいの悪者ぶった善人が、環境を守るなんたらの集会を妨害しようとかそんな事を思い付くはずがないのだ。そもそもメリットが無い。


 前払いの謝礼金をもらったとかいう情報を根こそぎ吸い出して、オマケにお金も取りあげて(界の名誉の為に言っておくが、決して私用の為に使いこんだりはしてない……はず)私達は黒幕の存在へと辿り着いた。


 それは、知る人ぞ知るという大手企業。

 テレビのCMや町中の宣伝ポスターなので、常に目にしている存在だった。


 ここにきて、会の者達は行動するべきか明らかに逡巡し始める。


 相手が個人の枠で収まる範疇をはるかに超えていたからだ。


(ごく普通の一般人にとっては、そうではないだろうが、私達にとっては)ケンカ集団などそれに比べれば可愛いものだった。


 組織を相手取るのはリスクは高すぎる。


 前提条件として、手紙についてどこまで信用するかという問題もある。


 今までの事は、一見して未来予知ともいえる内容で、納得していたが、もう一歩踏み込む為には確証が欲しかった。


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