04



 未来に起こる人類滅亡・世界滅亡を防ぐ為に。


 私達、人類存続の会は行動を起こした。


 まず手始めにやるのは、未来の世界で優れた研究者になるであろう人物を救う事。


 手紙によれば、その人物は今日横断歩道を渡っている際に、信号無視で突っ込んできたトラックに撥ねられて死亡する。

 私達はそれを回避しなければならない。


「ふーん、で?」「何がだよ」「本当に起こるのー」「ないないありえない」「ただの暇つぶしでしょー」


 人類存続の会の者達は、現地集合で集まったけれど、みな半信半疑の様子でいた。


 だってそうだろう。


 あまりにも高騰無形な内容、現実味のない予言。

 私達にとってそれは、暇つぶしとなる遊びのネタ以外の何物でもなかったのだから。


「あれ?」「あの子?」「違うでしょー?」「でも、さ。ほら」「手紙に書いてある特徴」「同じだ!」


 その時までは……。


「あ、車」「車じゃなくってトラックでしょ」「どっちだっていいだろ、少し黙ってろ」「信号は青だね」「……って事は?」


 ……って事は、なんて聞かれなくても、その場にいる全員が予想していた。

 これから起こるまさかの可能性の事は。


「突っ込んでくる!」


 結果だけ記しておく。


 私達は死ぬはずだった少年(未来の希望)を助けた。


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