03
人は誰もがそれぞれの常識を持っている。
それぞれ、というのは常識というものは個人で違うからだ。
例えば、そう……
幽霊という存在を信じるだろうかと聞かれた時。
首を縦に振る者もいれば、横に振る者もいるだろう。
例えば、そう……
この広い宇宙のどこかに知性を持った生命、宇宙人は存在すると思うだろうかと聞かれた時。
首を縦に振る者もいれば、横に振る者もいるはずだ。
人それぞれ、常識と非常識の境界は異なる。
曖昧で、ひどく不確か。
だから人間は自分とその他の人間との間に、齟齬を感じたり、認識の違いを実感したりするのだろう。
けれど、それでも大多数の者が首を縦に振るだろう常識はある。
人は死んだら生き返らない。
太陽は東から昇り、西から沈む。
横に振る者がいるのならばそれは、まだ何も知らない赤子か、頭のねじが可哀想なくらいに外れた人間なのだろう。
「えっ、太陽って東から昇って西に沈むん? やっべ、昨日馬鹿みたいに間違えちまった」「はぁあ? あんた馬鹿?」「馬鹿?」「馬鹿だー!」「お前ら少しは静かにしろっ、あと太陽は東から昇って西に沈むからな、どっかの馬鹿みたいに間違えるなよ!」
当たり前の常識。
けれど、その常識がくつがえったとき、人はどういう反応に出るだろうか。
朝、ポストを覗いたときに発見した二通目の手紙。
未来から時を超えてきた手紙の存在を、君は
「ないわー」「ないわね」「非常識」「非常識だねー」「えっと、悪戯じゃないのか?」
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