Magia(マギア)/神々の聖戦
@Mogan
第1話
君は望んだことがあるだろうか?
圧倒的な権力を。圧倒的な力を。圧倒的な魔導を。
それは人知を超えた存在。今の人間にはたどり着くことができなかった存在。
もしも、それを手にした時。人は何を考えるのだろうか。
支配か?虐殺か?戦争か?
いや...全てだ。
今から20世紀も前、人は魔導を手に入れる。
アダムとイブは、悪魔と契約を交わし、「命」と「魔力」を手に入れた。
それは、この世界の人間という文化の誕生であると共に、崩壊へのカウントダウンの始まりだった。
アダムとイブが手に入れた「命」は、長い年月をかけて分裂し、それが新しい「命」として誕生する。やがて形を成した「命」は「人間」へと姿を変えた。けれど、その「命」の中には若干の「魔力」が混ざっていた。
そんなことはつゆ知らず、人間達は自らの進化を遂げていく。
石を使い、火を使い、鉄を使う。工夫をこらし、学んでいく。
時間が経つにつれて、人間達に「心」が宿るようになった。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。日々、様々な感情を持ち始めた人間。
その姿を見て危惧する者達がいた。
それは、神々達だ。
世界の概念を変える力を持つ神々。
神々にとって人間は邪魔でしかなかった。
感情を持った人間は、次第にお互いを憎しみ合い、戦争が始まる。
殺し、奪い、襲い、焼く。
世界中で戦争が起こった。その戦争は20年経っても収まる気配がなく、とうとう神々は人間達に制裁を下す。
それは、人間の消滅。「命」の消滅。
神々が手を出そうとした瞬間、一人の男が立ちはだかった。
魔導書を持ち、自らを魔導師と名乗る男。
魔術を駆使し、果敢にもその男は神々に立ち向かった。
神々との戦いが熾烈を極める中、人間はようやく神々の存在を知る。
やがて人間も神々に戦いを挑むようになり、気づけば人間同士での戦いは行わなくなっていた。
けれど、神々に敵うはずもなく。人間は次第に数を減らしていった。
敗北は時間の問題と思われた時、強力な魔力を持った人間が次々に生まれてきた。
これが人間の最後の希望。
大勢の魔導師を加え、最後の戦いに臨んだ。
神々の力にも対抗できるほどの強力な魔術。それを巧みに使いこなし、ついに神々の撃退に成功する。
人間は歓喜し、命あることに喜んだ。
この一連の戦争を後に人間は─────「聖戦」と呼ぶようになった。
Magia(マギア)/神々の聖戦 @Mogan
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