第5話 ガーリックの香ばしい香りに包まれながら
休日、お気に入りのカールスバーグを飲みながら、カフェでパソコンをいじっている。
ガーリックのいい香りが、店内にたちこめている。
自分も何か、飯系を頼めばよかったと後悔しているなか、ランチタイムが終わってしまった。
ああ、食欲をそそられる。
ニンニクの香ばしい香りは、なぜこんなにも食欲をそそるのか。
もはや文句と感謝を言いたい。
隣の席には、長時間いたであろう20代半ばの女性3人組。
グラスはとっくにカラになっている。
何もないなかで、よく会話が続くなあと、そんな人を見ると毎回感じる。
話のメインは、「結婚したい」ということらしい。
「結婚して、旦那の金で暮らして、専業主婦になりたい」
夢のまた夢である。
悠々自適、素晴らしい。
そんな生活になったらどうだろう。
家事を済まし、友達とランチをし、少し豪華な夕食を作り、旦那の帰りを待つ。
共働きが多い中、果たしてそれは実現可能なのであろうか。
と、現実的なことを思う反面、飽きも来そうな気もしなくもない。
でも、時間はあるわけだから、何か趣味を見つけたり、そこで新しい友達と出会ったり、ある意味自由であり、不自由である。
自由とは、不自由であり、とても矛盾しているなあ。
と、ガーリックの残り香が残ったカフェで、ふと考える。
私のカールスバーグも終わりかけてきた。
さて、今日はニンニクたっぷりの料理でも作ろうか。
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