第123話 水

なぜ水は流れるのか

がんじがらめで一歩たりと

進めない体でそれを見る

こんなにも停止している

脳みそに焼き付いた

止まらないその流れは

濁り、澱み、それでも流れ

どこへ向かうとも知れず

ただありのまま進み

立ち向かうでも逃げるでもなく

全てを受け止め呑み込み

そのままであろうとする

そんな風にありたいと

なけなしの脳で願うけれど

思えば思うほど遠ざかる

このままならない体に

その水の姿を染みこませ

ただ一人この陸に彷徨う

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