第122話 ここに生きる

たやすく命を投げ出そうとしたり

あるいは他者の命を奪おうとしたり

ヒトがヒトであることの証明なんて

そんな残酷な歴史の繰り返しで


その事実を知ってしまったあとからも

闘いは絶えることを知らず

この手もこの目もこの耳も

何も出来ないままただそれを見送った


こんな世界に一体何があるというのか

終わることない悲劇と喜劇が絡まって

ぐるぐるぐるぐる渦を巻く

そんなどうにも煮え切らない世界で


それでもなぜかしがみつくのは

紛れもない無力な自分で

織り成す残酷の中に進み行く

生きている自分を感じながら



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