第73話 三日月
寒くて凍えて震えて
それでも外をかけずり回って
そんな現実に何があるというんだろう
手に持っているもの全て
放り出してぶん投げて
ただ裸の自分になってしまいたい
なのにやっぱり武装して
外の世界に飛び出すんだ
闘いから逃げるのは性に合わなくて
結局傷ついて傷つけて
何に傷ついたのかも分からず
逃げたいなんて不毛な願い抱いて
ああなんて無様な生き方
ああなんて無力なこの腕
そんな私を見て三日月が笑う
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