第74話 音と刻む
自分次第で何にでも
なれると思っていた頃の
曲はどうにも切なくて
信じていた未来と
何にもなれなかった今が
どうしたって哀しくて
それなのになぜかその音は
今の私をあたためる
生まれたのはもう随分昔のこと
それでも記憶に刻まれた
音の羅列がこんなにも
何者でもない私を救う
このかじかんだ指先で
転がる音にそっと触れ
心の奥底に沈んでいる
私の深部を確かめて
確かに私を作り上げてきた
この音達に恥じぬよう
今ある全てを受け止めて
進み続けることを選ぶ
自分次第では何にでも
なれないと知ったけれど
今も昔も変わらない
この音楽に導かれ
私は私の道を行く
この足で、この身体で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます