第33話 昼と夜の狭間で

ほんの少し早くなった

日の堕ちる速度に

取り残された両足は

ささやかなリズムを刻み

行く夏を悼むかのように

燃えさかるオレンジは

東の空まで染め上げて

一日の最後を飾る

この昼と夜の狭間で

飛ぶ鳥は何を思う

ただ上へと向かう

黒い影だけ残し

滲み始める光に

精一杯のさよならを

告げて見つめる先に

一滴の星が降る

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