第31話 半端者と雲

流れる雲をうらやましいと思うほどに

今のボクには囚われるモノが多すぎて

何もかも脱ぎ捨て裸になろうと思っても

すべてを捨て去る勇気もなくて

それならいっそまとわりつくしがらみを

飲み込むことを選べばいいのに

それはそれで息苦しくてたまらなくて

身を隠すように息を潜めて忍び泣く


こんな半端なボクを見て雲は

どうしようもないと笑うだろうか

流れることも消えゆくことも

ままならないような憐れな存在

何者にもなれぬまま宙ぶらりんのボクは

ただ時が流れるのを見ていた

白い雲がゆうらり揺れて

空の端へと吸い込まれるのを見ていた


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