第28話 ぐるぐる

私を縛るものは透明のぐるぐるで

周りにいる誰の目にも見えないの

でもそれは確実に私の動きを封じ込め

じわじわじわじわと自由を奪っていくから

もう私の手の中にある自由は

砕かれたアメ玉くらいしかなくて

この熱い陽射しの中ゆるゆると溶け出す

初めから何もなかったかのように


私を縛るものは柔らかいぐるぐるで

いくら縛られても戯れにしか見えないの

でもそれは想像も出来ない強大な力で

キリキリとこの四肢を締め付けていくから

もう私の何者にも邪魔させなかった

思考さえ解放への望みを手放す

そして身も心もぐるぐるに屈するんだ

まるで初めから従順だったかのように

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