第27話 夕闇

叩き続ける扉の

重い鍵は閉ざされ

固く握った拳の

表面は血が滲み

求め続ける答えの

欠片さえも掴めず

追い縋るこの瞳の

光を根こそぎ奪って

夕闇に浮かぶ月の

影はゆらゆら揺れて

眠ることない街の

沈む様を見送る

いつもと変わらぬ夜の

始まりに目を伏せて

慎重に吸い込む息の

震えをそっと抑えた




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