母、限界
体調が少しずつ良くなっていることを実感した次女は、
「休みの日でも早く起きた方がいいと思うんだよ」
と自ら言ってきました。
「明日もあまり遅くならないうちに起こして」
その言葉通り、23日は祝日で特にこれといった用事もなかったのですが、早く起きることが出来ました。
まさかこんな日が来るなんてと、少しウキウキしました。
勉強も少しずつやらなければと、メチャクチャ一生懸命に~というわけではありませんが、集中して何時間かやっているようでした。
そうして調子に乗り、夜は金曜ロードショーでハリー・ポッターを皆で見ながら、長女の修学旅行お土産、百味ビーンズで盛り上がります。……これがいけませんでした。下の子たちは初めてハリーの最終回を観ます。上の三人は何度もDVDを観て育ちました。あそこでキャー、ここでウワーと大騒ぎ。夫は翌日の予定のために早く就寝しましたが、盛り上がりすぎて、寝る機会を失い、最後まで観てしまいました。
0時になる前に寝るよう言いましたが、興奮しすぎて日付をまたいでしまった次女は、案の定次の日、9時20分からの受験講座に間に合わなかったのでした。
「やっぱ、早く寝ないとダメだね。昨日は失敗した」
次女も私も猛反省しました。
「でもさ、早く寝れば早く起きられるって分かってるんだから、昨日みたいなことがなければどうにかなりそうではあるね」
よしよしとお互い顔を見合わせます。
さて、ところが24日土曜日の夕方から、色々とあまりよろしくない方向に事態が動き始めました。
まず長男が、吐き気を催してきました。腹を冷やすと直ぐにやられるので、いつも注意をしているのですが、体が大きくなってきたのに、少し小さいシャツを着ていたため、お腹が直ぐに出てしまうのです。いつも背中とお腹が出っぱなしになった結果、すっかりとお腹を壊してしまったようなのです。
翌日、日曜日にはこれが次女にも波及しました。二人とも具合が悪いと言いだし、次女が起きて準備終わるのを待ってから、昼前に日曜日でもやっている小児科へ連れて行きました。
「お腹冷やしたねぇ。最近流行の胃腸炎にやられたかな」
感染性の胃腸炎の様子。
二人ともここから具合がどんどん悪くなっていきます。
食べたら吐くか下すかです。
食べないでといっても腹が減るからと食べる長男を止められず、というか、人目を盗んで食べてしまうので、どうしようもありません。グッタリとして、おならをすると一緒に何か出てくるというとても困った状態になりました。
次女も気持ち悪くてまともに食べられませんでした。それでも、食べないと体重が減り、体重が減ると具合が悪くなるため、大変困りました。
二人には固形物を食べないようにいって早く休ませましたが、事態はこれで収まりませんでした。
26日月曜日の深夜1時過ぎ、私はふと寒気がして目を覚ましました。
両脇には次男と三女が寝ていて、布団もしっかりかかっていますが、どうしても寒気が収まらず、暖かいのに寒いという変な状態になってしまっていたのです。しばらく手足を動かしてじっとしていましたが、寒気に嫌な予感がして、トイレに立つのと一緒に、熱を測ってみました。
「37.4度……」
ちょっと見たことのない体温だったので、これはもしかして風邪を引いたかなと首を傾げながらベッドに戻りました。
また布団をかけ直して寝たのですが、震えは収まるどころか、どの角度で寝ても、どんなに温かくしても、寒気と鳥肌が収まらなくなっていきます。
午前3時頃にもう一度熱を測ると、38.4度。
……とうとう、恐れていたことが起きてしまいました。
いつもは私が家のことは殆どやっているのですが、倒れたらどうするの、というその事態が。
寒気と一緒に吐き気があり、気持ち悪くなって更に眠れなくなります。
どうしようどうしようと思いつつ寝たのですが、6時にはもう起床時間。私の具合が良かろうが悪かろうが、子どもたちをそれぞれの施設へ送り出さなければなりません。
起きて、長女の弁当を作っていると、レンチンした冷食の匂いにやられて吐き気を催し、食べ物を見ているだけで気持ち悪くなってしまいました。
「おかずは温めたけど、これ以上は無理だから、勝手に詰めて……」
長女の弁当、夫のおにぎりは本人たちに用意させ、私は食べ物以外のことをすることに。
月曜日からは歩いて登校するんだよと誓った次女も、無理して食べるなと言い聞かせた長男もダウン。長女と三女はそれぞれ学校へ行き、私はお腹痛いのを堪えながら幼稚園に次男を連れて行き、その後様子を見計らって内科へ向かいました。
胃腸炎でした。
この日はもう、殆どの時間を寝て過ごしました。
本当はやることが山積みで、あれもしたいこれもしたいと予定していたのが全部パーです。
食べずにひたすら水分補給と睡眠。夜ご飯は元気な人だけレトルトカレーを食べてくださいと動ける人にお願いし、9時過ぎには就寝しました。
本当に大変でした。
これ、もっと大病だったらどうするんだろうか。皆、私に甘え放題なのをもう少し反省して欲しいと思った一日でした。
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