私立高校の個別相談会②
お金の話でぐるぐるしてしまった私は、それから先、どう話を繋げば良いのやら困ってしまいました。
「実は、うち、子どもが5人いまして、この子の下にもあと3人いるんです。この学費だと、払い続けられるか自信が……。S市在住でもないので、私立学校進学者への優遇もないですし。そうですか、そんなに……」
「場合によっては奨学金もありますので。あとで返済いただきますが」
奨学金という名前の貸付はあるということのようですが、銀行の教育ローンとあまり変わらないようで、何とも微妙な気持ちになりました。
「そういえば、少しお伺いしたいんですけど、この、入学時の成績による学費優遇措置は、有効期限は何年ですか? 入学時から3年でしょうか、それとも、毎年見直しでしょうか」
推薦入試や一般入試などで、ある程度上位の成績を取っていれば、一定割合で学費が優遇されます。その期限を知りたかったのです。
「入学時から3年間有効になります。入学したときのランクがそのまま3年間反映されます」
となると、次女の場合は、専願で且つ、特に何も条件のないコース(言うなれば、お金さえ払えばある程度の学力なら入れてしまうコース)ですから、3年間高い学費を払い続けることになります。
「ですが、学年一位となった場合のみ、ランクを繰り上げることが出来ます。1年次に1位ならひとつ上に、2年次でも1位ならそのひとつ上に」
「1位だけなんですね……」
「そうなんです」
話を聞けば聞くほど、お金がかかるという事実がのしかかってきました。
その他、色々と気になることは聞くことができました。
全体的に感じたのは、公立高校よりは確かに色々と考えて授業をしてくれそうだということ。ある程度なら融通は利きそうだということ。
そして、お金がめっちゃかかりますということ。
特に今、休業中のため、お金はさっぱりありません。
蓄えを切り崩しながらの生活をしているため、本当に今後お金をどうやって工面するか、誰にどう節約させるかなど、考えても考えても全然分からず、このままでは長男から下の子にはある程度我慢させなくてはならないのではと、嫌な予感がしてきます。
やりたいことはさせたいけれど、お金がない。
そもそも、国は子どもを増やせという割には、子どもが沢山いる世帯にはあまり優しくありません。世帯収入と子どもの人数を考えて、経済的に進路を閉ざしてしまうような可能性のあることは数字を見れば分かるわけですから、そういう世帯にも手を差し伸べて欲しいところですが、あくまで世帯の年収のみを見て、一人当たりが支える人数は見ないのが現状です。
例えば、夫婦2人で年収500万、子ども1人の場合と、夫婦2人で年収800万、子ども5人の場合では、後者の方が苦しいのに、加算されるのは児童手当のみ。実際、児童手当なんて、全然支給額として足りないのがわからないんですから、困ったものです。
あまり子どもの前でお金の話は~なんてことは言わず、私は直ぐに現状を話すのですが、上の二人は直ぐに大変さを察知したようで、
「外食止めなきゃ」
「無駄遣い止めなきゃ」
と話していました。
しかし、実際そんなものではとてもまかないきれないくらい、私立高校という選択は首を絞めてくるのでした。
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