私立高校の個別相談会①

 22日金曜日も、驚いたことに次女は早起きしました。そして、小学生の登校隊と同じ時間に出発したのでした。中学生は大抵、小学生の登校隊より10~15分程度遅く出発するのですが、まさかの早出に、私は本当に万歳をしました。

 その日の私のTwitter↓。


【朗報】次女が2日連続で、朝からみんなと同じ時間に歩いて登校しました!!

天気悪いのに凄い☆.。.:*(嬉´Д`嬉).。.:*☆


 そう、天気も悪かったんです。2日とも雨だった。なのに早起き出来た。これは物凄く自信に繋がりました。次女も、

「早く起きたのにあまり頭痛いとか具合悪いとかない」

 とのことでしたから、本当にびっくりしました。

 期末テストはしっかり受け、最後まで授業も受けました。

 そうして迎えに行き、家でゆっくりしていると。

「あれ? S高校行かないの? そろそろ時間だよね」

 次女に言われてハッとしました。

 そうなのです。私立S高校の個別相談会の日。17時半~19時半まで。時計を見ると、17時を過ぎていました。

 急いで準備をして、次女と共にS高校へと向かいました。


 17時40分頃に着くと、未だそれほど混んでおらず、アンケートを書いているうちに順番がやってきました。

 男の先生が担当して話を聞いてくださいました。

 まず、アンケートを見せながら、次女が起立性調節障害(OD)であること、中学校は半分以上行けていないことなどを伝えました。

「同じような症状の子はいますか? いるとしたらどういう風に通っていますか」

 と尋ねると、

「以前はいましたが、改善したか、学校を辞めてしまったかで、今はいません」

 とのこと。

 やはり、高校は出席率で単位を取れるかどうかという問題があるので、健康上の問題がある子どもの場合は、何かと難しいようです。

「単位を取るにはまず、2/3以上の出席が必要です。クリア出来なければ留年となります。勿論、補習等も行いますが、あくまでも可能な範囲ですから、そこはご理解ください」

 2/3かぁ……と、ため息が出ます。

「念のためですが、この2/3は、出席日数ですか、出席時間ですか」

「両方です」

「ですよねぇ……」

 進学したあとでもハードルは物凄く高そうです。

 そして、バス。通学バスの問題があります。

 うちから近くの県立高校以外の高校へ通う場合は、バスか電車でなければ通えません。私立高校は確かバスが出ている。しかも無料だったはずだと、資料と一緒に配られたバスの時刻表を見てみると、

「7時35分発……。マジか……」

 次女と二人で息を飲みました。

 しかも停留所は次女の通う中学よりも更に数百メートル先。今の平均起床時間ではとても間に合いそうにありません。

「朝がダメなんですよ。このバスを逃したら、電車しかないんですね」

「そうですね……」

 最寄り駅まで自転車で15分弱。次女は体調を崩してから自転車にも乗っていません。

 頭がぐるぐるしてきました。

「今は私が休んで中学校へ連れて行ってるんですが、休みも終わりますし、仮に進学出来たとして、今のところはこの高校の近くに職場があるので送ってくることは可能ですけど、人事異動があれば行けなくなりますね……」

 色々と事情を聞いているうちに、とても大変な状況なのだと察したのか、先生の表情も曇ってきます。

 私立高校なのだから、ある意味営業としてこの進路相談会を行っているわけですから、その場でこんな暗い話、先生はとても居づらかったのではないでしょうか。

「今考えているコースは?」

 次女がパンフレットで指さしながら答えると、

「新学期から、個別指導のある新しいコースも出来るんです。こちらだと、進捗状態を自分で調整出来るので、授業で遅れるとか、分からないところをそのままにするなんてことは無いんですよ」

 先生は丁寧に教えてくださいました。それもまた、魅力的ではありました。

 次女の希望するコースと先生の推しているコースは、どちらも新設のコースです。私はどちらでも良かったのですが、それより早めに聞いておきたいことがもう一つありました。

「すみません、念のため。上の子が県立高校に入っているので、大体は分かるんですけど、ここの授業料というのは、パンフレットの……、これは、高校の就学支援金と差し引きされたあとの金額ですか? 差し引きされる前の金額ですか?」

 高等学校就学支援金というのは、通っている高等学校を通じて申請することで都道府県から給付されるものです。世帯の収入によって給付金額が変わりますが、県立高校の場合は、大抵の世帯で授業料が免除となり、学年の積立金や雑費のみの集金となっています。(収入制限などがあるため、100%の世帯で受けられるものではありません)

 県立高校に通う長女の場合は授業料を除いて集金額が1年次18,000円弱、2年次は21,000円程度となっていました。

「支給されたあとの金額です」

 先生はおっしゃいました。

「あと、ですか……! ってことは、このほかに学年の積立金なんかもありますよね。合計いくらくらいになるんですか」

「そうですね、大抵7,000円前後の加算です」

 見て驚きました。

 県立高校とは全然違う。

 集金額は月に40,000円前後。長女の倍の金額です。

 仮に次女がバスでの通学を諦めざるを得ない場合、これに電車の定期券代(年間6万円弱)が加算されます。

 気が遠くなりました。

 私立高校って……、そんなに、高いんだ……。

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