中間テスト二日目
中間テストにもかかわらず、時間までに行くことのできなかった初日。親としては二日目こそは朝から行って欲しいと思うものです。
「明日こそ朝から行くからね!」
気合いを入れて早く寝るように言いました。
幼稚園児の次男を泣かせてしまったこともあり、次の日は反省して早めに幼稚園へと送っていきました。
次女は朝声をかけてもあまり反応せず、分かってるよと身体を動かすことはあるものの、どうしても行かなければという強い意志はどこにも感じませんでした。
起こしながら小説を読んでいるうちに、だんだん私にも眠気が襲ってきます。誰かが寝ていると、その隣に居ただけで眠くなる現象が起きてしまいました。私は次女のベッドに腕を乗せて、そのまま力尽きてしまっていたのでした。
途中気が付いて目を覚ましても、次女は未だ起きません。
経験から、起きようとしていない人を起こすことはとても大変なことだとだんだんわかってきたのと、私だけが頑張っても運ぶことすら敵わないことで、起こす気も削がれてしまったのだと思います。
テストは午前2教科、その後は通常日程と、翌日の地区中学校音楽会の練習がありました。
頑張って連れて行かなくちゃという気持ちが強すぎて気を張っていた前日からの疲労がいっぺんに来てしまったのでしょう。身体が凝り固まるまでベッドにうつ伏せて寝てしまいました。
昼近くになり、ようやく起き上がった次女に、
「テストは終わったけど、明日の練習あるからとにかく行くよ」
と声をかけ、14時頃から学校へと行きました。
普段学校の終わる16時過ぎ、次女を迎えに行く前に幼稚園と学童に行きました。
その日は三太郎の日、auユーザーの我が家ではダブルチーズバーガーの話ばかりしていました。長女を高校に迎えに行き、その足で取り替えて帰ってくるつもりで、朝も話をしていました。
予定では、幼稚園→学童→中学校→自宅、それから高校に行ってマクドナルドへ行くつもりでした。
ところが、次女からは連絡がなく、そうこうしているうちに長女の方から《部活は5時半すぎにおわる》というLINEが入っていました。恐らく次女は部活でもしているのだと思い、仕方なく、幼稚園→学童→高校→マクドナルド→中学校の順で行くことにしました。
学童に行った後、携帯に何の連絡も入っていないことを確認し、下の子たちを車に乗せたまま大急ぎで高校へ向かいました。バイパスを通って信号待ちをしているときに、ふと携帯を見ると、公衆電話からの着信。次女でした。
しまった!
高校まではあと少し。しかし、次女を迎えに行かなければ、薄暗い中一人で歩くことになります。具合悪く、遅く登校したのだから、もしかしたら迎えを待っているかもと思いましたが、携帯電話を持たない次女に連絡する術がありません。一旦コンビニに入り、駐車場で長女に《来たけど戻る》とLINEを打ちました。すると丁度夫からも連絡が。《仕事終わったけど、迎え行こうか》との返事でした。
私は安心して、夫に長女の迎えとダブルチーズバーガーの交換二人分をお願いして、中学校へ向けてとんぼ返りしました。
途中、学校に電話を入れました。
「すみません、本人から連絡あったみたいなんですけど、どこにいるかわからなくて。未だ学校に居るようなら、迎えに行くから待っててと伝えてください」
ハラハラしながら運転していると、学校から折り返しが。ハンズフリーで受けると、担任の先生でした。
『さっきまで部活していたようですが、友だちと一緒に玄関から出て行ったようです。周囲にはいませんから、帰ったのだと思いますよ』
――帰った。
だいぶ暗くなったけれど、一人で帰ったのだろうか。途中まで帰り道が一緒の男の子はいるけど、どうしたのだろうか。
だんだん不安になって、町内に入った後、一旦通学路を逆に辿ってみました。学校の付近まで来ても、次女はいません。別の道を通ったのかもと、あちこちグルグル回りました。
そうこうしているうちに次女が帰ったという時間から30分近くが経過。もしかしたらもう、家の辺りまで来ているかもと、今度は自宅に向けて車を走らせました。
途中でLINEに通知。
《自力で家帰りました~》
……ホッとしました。
車内に乗りっぱなしの下の二人に、
「お姉ちゃん、お家に一人で帰ったって~。帰ろ帰ろ」
と言って、ようやく家へと戻っていきました。
長女も次女の書き込みを見て、かなり驚いていました。
なんだ。
帰れるんだ。
一人で帰ろうと思えば、体調によりけりだけど帰れるじゃん。
テスト時間には間に合わず、受けられなかったテストを後日受け直させて貰ったようですが、それよりなにより、次女がちゃんと自分の足で帰ってきたことが嬉しくて溜まりませんでした。
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