5人と過ごす夏休み

夏休み突入

 中学校の夏休み直前の7月20日金曜日、県総体で中学校が休みの日、次女は珍しく小学校時代の友だちに誘われ、図書館へ勉強しに行きました。結局は勉強は殆どせずに終わったようですが、男女混じってワイワイ楽しんだようでした。

 真面目だった次女が勉強せずにお絵かきをしていたことに驚いた友達も居たそうですので、本当に、この1年でガラッと変わってしまったんだなと思いました。

 誘われたのは、学校へ午後から行くようになり、友だちとの接触が増えた証拠でもあったのだと思います。元々は人当たりも良く、友だちも多くいた子だったので、その繋がりが未だ続いていることにホッとしました。


 次女の足の裏がおかしいと気付いたのはその前日。風呂上がりに、長女と一緒に何やら足を見ているなと思ったら、かかと付近にボツボツと何か丸いものがありました。

「これ、ヤバいヤツだと思うよ。タコかな? ウオノメかな?」

 皮膚科へ連れて行くと、

「石イボだね~。これ、移るんだよ。増えたの。だいぶ前からあるでしょ。大変だよ~」

 先生に同情されるくらい酷い状況だったようです。両足の裏に大量のイボ。右足のかかと中心に、15個以上あり、それを薬でふやかして削る、ふやかして削る、と繰り返すようです。

 三女の乾燥肌の薬と合わせて、次女の石イボの処置が風呂上がりの作業に加わりました。


 夏休みといえど、子どもはやれ部活だ、やれプールだと、やたらと送り迎えが多く、全くゆっくりできません。理想では午前中早めに次女を起こし、ご飯を食べさせ、宿題をさせている隣で裁縫でも、という算段でしたが、そんな余裕は全くありませんでした。

 子どもは思うように動きませんし、ご飯を三度三度真面目に作ることの面倒くさいことこの上なく、落ち着く暇も無い有様です。

 小1の三女には夏休み帳を必死にやらせましたが、小6の長男は途中で直ぐに飽きてゲームや漫画に飛びついてしまい、注意を全く聞きませんし、暇な年中の次男はいろんなものを広げて出しっぱなし。

 次女は午前中のうちに起きて、朝ご飯を食べると横になっていることが多く、昼食後からそろそろと起きて、絵を描いたりゲームをしたりしていました。

 流石に見かねた長女が、

「風景画の写真撮りに行くぞ!」

 中学校の中間登校日までに提出しなければならない宿題の一つ、風景画の題材を探しに、近くの公園に弟妹皆引き連れて遊びに行ってくれました。中1の時、次女が取り壊し寸前の保育園の校庭の絵を描いたときには、『子どもがいないのが寂しい』と講評されたそうですので、今度は子どもも一緒に入れて描こうと、小学生以下の三人を自由に遊ばせ、パシャパシャと写真を撮ってきました。

 数枚の写真のうち、一枚を選んでデータをパソコンに飛ばし、プリンターで印刷。それを見ながら、次女はせっせせっせと絵を描き始めました。

 元々次女は絵を描くのが得意で、何度かコンクールで入賞していたので、

「せっかく描くからには賞をとろう」

 という意気込みで臨んでいました。

 珍しくやる気を出した次女は、夜寝る直前まで、アクリル絵の具を広げて頑張りました。なかなか見ない光景だったので、とても嬉しく思いました。


 7月30日月曜日、三者面談。

 成績表を貰いました。

 今まで“不”が並んでいた通知表に、久しぶりに数字が載りました。1と2ばかりでしたが、成績が付いたことは嬉しく思いました。

 しかし、

「この成績で、次女さんの志望校に合格した人は居ません」

 担任の先生はピシャリと言って、厳しい顔を向けました。

「高校を受験するなら、本気で勉強しないと追いつけないよ。皆、部活動が終わったら本気を出し始めるけど、あなたは今まで勉強してこなかったのだから、今から始めても遅いくらいです」

 全く、返す言葉もありません。

「オープンスクールは行くの?」

「はい。2校に申し込んでます」

「絶対遅れないように行かないとね」

 通院の日以外はなかなか早起きが出来ない日が続いています。

 しかし、8月は行事が目白押しで、オープンスクールなど、朝早くから出かける日もあります。

「中間登校日、待ってるからね」

 と、ここでも先生に念を押されました。


 さて、7月31日火曜日は、長女と共にうさぎのチロルを獣医さんに連れて行きました。結局、怪我が治らず、ハゲの大きさが増してしまっていたのです。

「治りかけの傷が痒くて舐めちゃうのかな。舐めると薬出せないんだけど……こうすると良いかなぁ」

 カラーを首に巻いて貰い、薬を塗ったあとしばらく付けておくように指導されました。

「一日2回くらいやれば大丈夫だよ。半月くらいで治るかな」

 こうして、朝晩、チロルの傷薬を塗る作業が更に追加されたのでした。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る