介護休業突入

地区運動会

 6月1日金曜日、介護休業の始まりです。

 自分の中で、休業中にすることを幾つか決めました。


・毎日エッセイを書くこと。

・起床時間、就寝時間は基本変えない。

・次女に三度三度ご飯を食べさせる。

・時間に余裕があったら、家の片付けなどに費やす。

・山積みになっている積ん読を少しずつ減らす。


 大したことではありませんが、少しでも決めておくことで、仕事を休んだ分ゆっくりしすぎないようにしようと思っていました。


 さて、次女ですが、起床時間は本当に遅めで、最初は実に困りました。

 今までずっと一人で起きていたので、仕方ないと言えば仕方ないのですが……。

 初日は頑張って昼前に起こし、ご飯を食べさせたようです。長女が早上がりだったので、高校の最寄り駅まで迎えに行き、午後から長女と一緒に歩いて登校したらどうかという話になりました。

 しかし、体調がとても優れず、出来るならば学校に行きたくないようなことを次女が言うので、

「私が何のために休みを取ってるかわかる?」

 と、どうにか行くように話を向けました。

 前日までも歩いて登校していたので、どうにかなるだろうと思っていたのですが……、長女と一緒に歩き始めて、しばらくすると電話がかかってきました。

「途中まで歩いたけど、無理だから、やっぱり車で送って~」

 通学路の半分まで行ったかどうか、途中で歩けなくなったそうです。

 迎えに行ったときには、長女に寄りかかっていました。

 仕方なく、そのまま車に乗せて、長女を図書館へ、次女を学校へ連れて行きました。

 なるべく、歩けるときには歩いて登校させる目標でしたが、あえなく初日は失敗に終わりました。


 土曜日は、長女の高校の音楽部定期演奏会。合唱や吹奏楽、弦楽などを聞きに行きました。午後からだったので、普段より早く起こして、必死になって連れて行きました。

 幼稚園児の次男は直ぐに飽きてしまって、会場から出た私は、殆ど演奏を聴くことが出来ませんでしたが、長女、次女、長男は最後まで楽しんだようです。



 更に日曜日、6月3日は地区の運動会がありました。

 その日、中学生はボランティアで朝から整列や準備など、割り当てられた係で働くことになっていましたので、次女のことも必死に起こしました。前日から運動着で寝て貰って、朝、どうにかこうにか車に積み込んで連れて行きました。

 朝は本当に、自分の力で動くことが出来ないので、会場に到着したところで歩くこともままなりません。

 整列のときは、長女が次女を背負って中学生の列に並び、その後開会式が終わると、次女は何の係になっているのか、学校を休んでいて分からないので、教えて貰うため、負ぶったままあちこち動き回ってくれました。結局、次女は人数が足りているから休んでていいよという友だちからの言葉もあって、日陰で長女と共に休んでいました。

 朝起きているだけで奇跡に近かったので、本当にこれはびっくりしました。

 会場には、来賓で中学校の教頭先生もいらっしゃっていたようですが、次女が来ていることにかなり驚かれていたのと同時に、大変褒めていたようでした。

 天気が良く、日差しの向きが変わってくると、休んでいた体育館の入り口付近もすっかりと日向になっていきました。それもあってか、10時を過ぎた頃からは、私や次男が休む日陰の陣地に来て横になっていました。


 お昼にお弁当を食べたあとは、中学生による借り物競走です。これがまた、難儀でした。

 とても一人で歩くことの出来る状態になかった次女を、またもや長女が負ぶったり引きずったりして競技に出ました。

 スタートすると、最初に、自分の自治会名が書かれた段ボールの中から一枚紙を引くそうです。そこには、人の名前が書いてあるので、テントに戻り、その人を探します。

 長女に聞いた話だと、あまりにもスタートから段ボールに辿り着くのに時間がかかって、慌てて自治会名を叫んで紙を取らせてもらったのだということでした。

 更に、紙に書かれた人物を探し出したあとは、その人と共に借り物が書いてある別の紙を貰いに行き、その物を借りに行った上でゴール、という手順です。

 次女のパートナーになった方は、そのあまりの状況を察したのか、率先して借り物であるタオルを取りに行ってくれたそうです。無事ゴールして、景品を貰ってきたときには、次女も長女もやり切ったような顔をしていました。


 まともに行事に参加することもなかった次女が、久しぶりに朝から頑張ったのは、本当に奇跡としか言いようがありません。

 それもこれも、長女が半ば強制的に引きずって歩いたからなのですが、それくらい強引でなければ、恐らく何もすることは出来なかったでしょう。

 本人も、長女がいてくれたことに、とても感謝しているようでした。

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