冬の過酷

登校が難しい

 診断の翌日、次女は登校しましたが、その次の日からは学校に行けない日が断続的に続きました。

 日本海側の冬は過酷です。低気圧が停滞し、吹雪になったり大雪が降ったりと、不安定な日が多い季節。健常者でさえ毎日の通学に苦労する時期に、次女は堪えられませんでした。


 足元が降り積もった雪で歩きにくいだけなら未だ良いのですが、激しい風が吹き付け、しっかりと立っていなければ飛ばされてしまいそうになる中歩かなければなりません。2kmしかない道のりが、物凄く長く感じられます。具合が悪い、天気も悪いとなれば、自分の足で登校しようという気持ちはなかなか起きにくいのではないかと、安易に想像できます。


 以下、当時の手帳とLINEの記録から。

 忙しすぎて何が起きているのか自分たちでも理解できない状況が、なんとなくおわかりいただけるのではないかと思います。


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 2017年2月8日水曜日…次女休み

    2月9日木曜日…朝学校まで車で送り

           次男発熱

           夫PTA会議

    2月10日金曜日…次女休み

            夫東京出張

    2月11日土曜日…午前中次男通院

            夕方習い事当番

    2月12日日曜日…私休日出勤

    2月13日月曜日…次女休み

            幼稚園行事のため私休み

            夫卒業祝賀会打合せ

    2月14日火曜日…次女遅刻

            次男発熱

    2月15日水曜日…次女登校

            次男病児保育


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 特に、当時まだ3歳だった次男は、やたらと熱を出してきました。

 インフルエンザが疑われる場合、保育園では蔓延を防ぐために直ぐに保護者に連絡します。当然、看護師もいる園でしたが、同じ施設内に熱の出ている子を置きっぱなしにすることは出来ませんから、直ぐに迎えに行かなければなりません。我が子がもしインフルエンザだったとして、他の子に移したら大変なことになりますから、当然、仕事を早く切り上げて迎えに行きます。

 幸い、この年はインフルエンザとは無縁だったようですが、ギリギリで躱していたというのが正解だったかも知れません。


 この年は、次男は未だ保育園、三女は幼稚園、長男は小学生でした。長女、次女の中学校と加えて4ヶ所に子どもを分散して預けていたため、行事の重なりや送り迎えで苦労しました。

 特に、保育園児と幼稚園児の二人は、何かにつけて熱を出すので、病児保育もかなり利用しました。

 前年度からの繰り越しの休みは全部使い切り、その年の有給も、3月に必ず休まなければならない日数を残して全部使い切り、未就学児二人分として与えられた特別休暇も全部使い切りました。最後の一時間も残りません。


 こんな中、次女は具合がどんどん悪くなり、朝呼びかけても起きられなくなっていきます。

 7時半には家を出なければ間に合わないのに、どうしても7時前に起きてくることが出来ません。

「頭が痛い」

「気持ち悪い」

 理由は様々でしたが、とにかく朝、ベッドから起こすのも苦労するようになっていきました。

 子どもがこんなに沢山増えるとは思わなかったため、部屋数が足りず、上二人にはロフトベッドを与えて部屋を区切って使わせていたのですが、起立性調節障害の症状が出始めると、だんだんロフトベッドから朝一人で降りられなくなっていきます。

 支度の合間、10分から15分おきに一階から二階の子ども部屋に向けて大声で呼びかけ、ものを取りに行くついでに声をかけ、というのを続けました。

 最後にはどうにもならず、身体を引きずるようにして下ろしてやりました。

 どうにかご飯を食べて着替えてフラフラと歩いて行く。


 そして悔しいかな、営業店の成績は巻き返しつつあったとはいえ、まだまだ年度目標には達しません。

 死に物狂いで働く日々が続き、家でも職場でも、追い詰められていきました。


 私には、微塵の余裕もありませんでした。

    

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