予兆~診断
朝に弱い
小学生の頃から、朝には弱い子でした。
登校時、近所の子供たちと登校隊を組んで歩いて行くのですが、朝7時25分集合のギリギリまで支度をしていることが良くありました。
次女が登校隊長になった6年の頃は特に悲惨なものでした。
7時まで起きない。他の子を起こして着替えさせ、ご飯を食べさせながら大声で何度呼んでも反応がない。いい加減にしなさいと言っても本人は「眠いんだもん」で、動こうとしない。朝起きてから15分足らずで着替えから食事、準備をして行ってきますということも、珍しくはありません。
自宅前の集合場所に滑り込むようにして駆け込み、何食わぬ顔で登校していく様子を見て、中学から先は大丈夫なんだろうかと不安になったことを思い出します。
中学に入ると、近所の友達と共にしばらく登校していたようです。
しかし、「次女ちゃんは朝遅いから」と、一緒に行くのを拒まれてしまいました。皆が設定した集合時間に間に合わせるのが辛かったようで、当時友達より少し遅れて登校していた中三の長女と、その友達と一緒に登校するようになりました。
近所の友達とは元々話が合わず、長女とその友達となら、部活も一緒だし、大好きなゲームやアニメの話で盛り上がれるからと、喜んで登校していました。
やはり朝には弱く、長女に急かされながらなんとか出て行く状態です。
本来ならば学校により近い長女の友達を迎えに行くのが筋だったはずなのですが、その子は数百メートル戻ってわざわざ家まで毎朝迎えに来てくれて、しかも10分近く待たせることが稀ではありませんでした。
毎朝のように辛抱強く玄関で待っていた彼女に、
「ごめんね、今ご飯食べてる」
「今着替えてるから。これから歯を磨くみたい」
逐一報告してあげるのが私の役目でした。
嫌な顔せずに待ってくれる彼女が居たからこそ、朝に弱い次女も学校に行けていたのだと思います。
元々身体を動かすのがそれほど好きではなく、家の中で漫画やゲームに時間を割く子でした。
私も夫もオタクだったので、サブカルチャーには寛容で、外で遊べば良いのにと思いつつも、好きなことをしていることに対してはそれほど否定はしませんでした。しっかりと勉強やお手伝いをしてくれていれば、それでいい。成績に影響があるわけでもなかったし、偶に公園で遊ぶことはあったので、家の中でゴロゴロすることに対しては特に注意はしませんでした。
夜中まで宿題をして、朝起きられないのか。
初めはその程度にしか思っていませんでした。
眠いからと休日は長めに寝ていました。でもそれは、皆同じこと。
単に、朝に弱いだけ。
今思えばこのあたりから、なんとなく予兆のようなものはあったのかも知れないと思います。しかし、あまりにもわかりにくい予兆に、私たちは何も気付くことが出来ませんでした。
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