散弾の広がり方
散弾銃(ショットガン)では、二種類の弾丸を撃つことができます。散弾とスラッグ弾です。
散弾はケースの中に小さな弾丸が複数入っているもので、発射すると散弾の名の通りに散らばりながら飛び、一発の弾丸よりも広い範囲に攻撃することができます。
スラッグ弾は、散弾のケースと同じサイズの一個の弾丸であり、拳銃やライフルで使われる弾丸と似たようなものです。スラッグ弾の特徴としては、そもそも散弾銃が他の小火器よりも大口径であることから一発で大きな破壊力を引き出すことができるため、クマなどの大型動物を狩猟したりする時などに使われます。
散弾銃以外には、大砲から発射するキャニスター弾も構造としては散弾と同一と言えます。
次は散弾銃の種類について……と行きたいところですが、カクヨムでは他にも銃について詳しい説明をしている作品があり、そこで散弾銃の種類などについても述べられているため、ここでは割愛させていただきます。
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さて、ここからが本題。
皆さんの散弾についてのイメージってどんなものでしょうか。
「射程が短い近距離用の武器」「面でダメージを与えられる範囲攻撃用の武器」
散弾、そしてショットガンの性質としては正しいイメージでしょう。
ただそのイメージ、少し行き過ぎてたりしませんか?
例えば、某ハンティングアクションゲームなどでは前方90度くらいの範囲に弾丸がばらまかれていたりしますし、FPSなんかでも人間と同じくらいの大きさに弾痕が散らばっていたりすることもあります。もちろん、前者はファンタジー要素が入っていたりするゲームですし、後者も実際に想定される戦場よりもフィールドが狭いなどの事情で様々な調整がなされていると考えられるので、間違った描写だと言って批判するのはナンセンスでしょう。
ただ、現実世界が舞台の物語で実銃のショットガンをぶっ放すとなれば、こうしたイメージ頼りなのはいかがなものかと思います。
というわけで、実際に散弾を撃った時にどのくらい弾丸が拡散していくのかについて、ざっくりとですが調べてみました。
まず押さえておきたいのは、散弾が広がる範囲というのは基本的にチョーク(絞り)の有無やその種類に左右されるということです。チョークなしの状態が一番拡散しやすく、チョークを付けることで広がり方を様々に調整できる、という感じのようです。
そして、一番広がりやすいチョークなしの条件では、25ヤード(約22.9メートル)先においた直径30インチ(約76.2センチ)の的に対し、撃った弾丸のうちの70%が命中するというデータがあります。
これをさらにざっくり計算すると、20メートル先では大体直径1メートル程度の範囲に弾丸が散らばって飛ぶ、と言えるのではないでしょうか。この数値でいくと、10メートル先では直径50センチ、30メートル先では直径1.5メートルとなります。ちなみに角度としては約2.5度です。
まあ条件によってはまた違った数値になるのかもしれませんが、おおよそのイメージとしてはこんな感じなのではないかと。
というわけで、以上、散弾の拡散の様子についての話でした。
実際に作中に登場させるとなるともっとしっかり調べられた方が(このページの記述に間違いがないかを確かめるためにも)いいんじゃないかなーとは思いますが、おおまかなイメージを掴むというのには役立つのではないでしょうか。
余談ですが、ソードオフ・ショットガンやライフルの刻まれたショットガンなどを使えばもっと弾丸を広範囲に拡散させることも可能だとかなんとか。あとはラッパ銃なる代物もあるようですが……。
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