創作用メモ

逃ゲ水

ボーラ(飛び道具)

 ボーラはおもりと紐でできた単純な飛び道具の一つです。

 構造は至って単純で、紐の両端におもりを付けたもの、あるいは先端におもりを付けた紐を何本か結んで束ねたものです。

 石と紐状のものさえあれば作れてしまうため、非常に古くから使われていたと考えられます。


 ボーラは狩猟に使う猟具あるいは対人用の武器で、手で投げて使います。

 命中すると紐が標的に絡みつき、行動を封じ込めたり、絡みついた時のおもりの衝撃でダメージを与えたりします。

 人や地面を走る獣などに対しては足に絡みつかせることで転倒させることが可能で、鳥に対しては翼に絡みつかせて墜落させることが可能です。

 素材や狙う部位によっては相手にあまり傷を負わせずに捕らえることが可能であり、これは投石や弓矢など他の飛び道具にはない特徴と言えます。


 また、ボーラは手に持って叩き付けることで打撃武器として使うこともできます。

 この場合、フレイルや分銅鎖のように相手の武器や盾を回り込むので防御されにくく、遠心力によって加速するので威力も出やすいと考えられます。

 欠点としては、棍棒や剣のような武器とは異なり操作は難しいこと、振り回すスペースが必要なため敵味方が密集した状況では使いにくいことなどが考えられます。


 ◆


 んで、ここからは独自研究みたいな話になるんですが。

 作中にボーラを登場させるべく、ボーラを実際に作っている動画や投げている動画を見て、ついでに実際に作ってみたりしたのですが、どうもきれいに広がってくれないという事態が起きました。

 作ったのはおもりが三つのボーラで、紐がどれも同じ長さのものでした。それを三つの紐の結び目を持ち、振り回して投げていました。

 それで投げるとどうなるかというと、ほとんどの場合、おもり三つが固まって飛んでいきました。紐は全然広がっておらず、足を絡め取るとか無理なのでは、という感じでした。

 そして色々な投げ方を試したり色々と読んだりしたところ、自分の誤りに気付きました。

 のです。


 紐の長さが同じ場合、振り回されて投げられたボーラは全てのおもりが同じ速さで同じ方向に進もうとします。その結果、全てのおもりは同じように動き、当然紐は広がりません。

 ではどうするかというと、紐の長さを変えてやります。投げるときに結び目以外の所を持ったり、おもりの一個を持って投げる。あるいは作る段階から紐の長さを変えておく。こうすると、振り回されて投げられた瞬間のそれぞれのおもりの進む速さと方向に違いが生じます。(長さによって振り子の周期が変わる現象と同じようなものです。)

 そして別の方向に進み始めたおもりは紐が伸びきるまで別々に進み、回転しながら飛んでいく、というわけです。


 こうして無事に標的に絡みつくようになったボーラですが、果たして作中でそこまで細かく描写する余裕はあるのかどうか……。

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