言うほどヤンキーというわけでもないんですが、とにかく脳筋(単なるバカではないけれど)主人公が生身で魔法少女と戦うという設定のインパクトが抜群です。また魔法使いも単なる敵というわけではなく、詳細は伏せますが味方サイドのキャラもいます。
導入のインパクトやお色気要素(とにかく女の子の下着にこだわる!)、脱力するような登場人物のネーミングに惑わされつつも、魔法少女バトルの真相や主人公の出生の秘密といった部分は結構シリアスです。完走後に読み返してみると伏線にも気づいたりして二度楽しめます。
登場人物が多いのですが、一気に読むと気になりません(逆に言えばブランクが空くと少し戸惑うかも)。完結した今が読み頃!
明確な目的があって行動力のある主人公は良い。
それがたとえただ事態を妨害する不良であっても楽しくなる。
なので、今作の主人公の在り方には、どうしても惹かれてしまうところがある。
この作品では、「魔法少女同士のバトル」というよくある設定を利用しながらも、その物語の主人公を「戦いたいから」と勝手に乱入していく、まったく部外者の不良にした事で、ちょっと変わった味付けになっている。
個性豊かで、様々な戦い方を用いる魔法少女たちの描写に加え、群像劇のような形で多くのキャラクターの顛末が捌かれていく。
キャラクターが多い中で割り切りも上手で、キャラが増えすぎてわけわかんなくなる事もない。
また、イロモノっぽい題材ながらも、あくまでやる事は堅実。
小細工抜きに面白い展開を攻めてきて、非常に読みやすくもある。
勢いや題材のキャッチーさに甘えない話作りが凄く好感が持てたりする。
書き手としては、たまたま「魔法少女」「不良」といったモチーフや一部設定(自分が後……)が被った関係で、対抗心を抱かずにはいられない部分もあるものの、普通に面白いので期待しながら読んでいきたい。
「カッコいい不良」は、やはり廃れさせても、半端に描いてもいけないモノである。