第9話 再びの教室

みんながいる教室へムラナガさん達が用意した馬車で急いで帰った私達


私とサキがゴブリンのムラナガさんから聞いた、この世界についての情報を伝え

今後の事をみんなで決めよう!

そう思っていた私たちがみた光景は、想像と違っていた


「ばんちょー

 みんなどこにいったのかな・・・

 なんで、こんな事になってるのかな・・・」


ぐちゃぐちゃに荒らされた教室

いるはずだったみんながいない教室

そんな教室を見てサキは落ち込んだトーンで私に質問をした

目に涙が滲み始め、いまにも泣き出しそうなサキを抱きしめながら落ち着かせる


ただ、少しでも何が起こったか調べようと、サキを抱きしめながら教室内を見渡す

地面には倒れた机や椅子、文房具、教科書、お菓子が散乱している

壁は岩でもぶつかったような窪みと焼け跡がいくつかある

こんな状況は高校生の私には初めての経験で、何が起こったのか容易には想像が出来ない

けど、みんなに悪い事が起きたのは確かだ・・・

突然、何者かに襲われでもしたのだろうか?

私だったら少しでも抵抗するな・・・

きっと私なら箒とかの掃除用具を武器にして戦うだろうな


そう思いながら、ふと掃除用具箱を確認すると教室の奥で倒れていた

今後、この状況を作った何者かからサキを守るためにも武器が必要だ

私はそう考え、抱きしめていたサキが落ち着いてきたのを確認して

教室の奥へ向かい、掃除用具箱を開ける


「きゃーーーー!!!!!!!!

 お助けーーーーー!!!!!!

って!!!

 番長っちとサキちゃんじゃん!!!」


掃除用具箱を開けると、武器になりそうな箒と共に

知った顔の人間が入っていた


「弥生ちゃん!!!!良かったぁ~無事だったんだねぇ!」

「うんうん、サキちゃん!そっちこそだよ!

 番長っちに助けてもらえたんだね!本当によかったよぉぉぉぉん」


掃除用具箱から出てきた、埃まみれの弥生は私達との再会に喜びながらも

いままでの事を思い出し泣き出した


そんな弥生の頭をサキはぽんぽんと優しく撫でて

この教室で何があったのかを話始めようとする弥生を、落ち着かせていた

サキは本当にいい子である

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"女番長"エリカと仲間達の異世界救済 田中真矢 @tnkmy

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