第2話とまどい、衝撃
「なんで・・・」
委員長が指さした、教室後方の扉を見た私は驚愕した
扉の外は廊下につながっているはず
それに私達の教室は2階
だけど、目の前の扉の先には草原が広がっていた
学校が地面に埋まった?
そんな事を思いつつ、状況をちゃんと確認するために
サキと共に扉の外へ出てみることに
「ほぁー、気持ちいいねー」
外へ出ると、突如強めの風を感じた
サキが言う通り、その強さがむしろ気持ち良いくらいの風だ
外の風景は見渡す限りの草原
どこかの広大な牧場かと感じる景色だった
そんな素晴らしい緑の空間に一つだけ、白い異形の物があった
それは、私達が出てきた場所
私達の教室だった
外から見た教室は、長方形のコンクリートの塊とでも言うのだろうか?
私達の教室だけ学校が切り抜かれた感じだ
同じく教室から出てきたクラスメイト達も
その教室の姿を目を丸くして、見ていた
何が起きたのだろうか・・・
その答えは、この場にいる誰も出せなかったのであった
~1時間後~
各々、心に不安や疑問が残る中
変わらない現状に諦めがついたのか、教室に戻りそれぞれの机に戻っていた
そんな中、委員長は1人情報を纏めていたみたいで
みんなが落ち着いた頃合いを見て、報告を始めた
委員長の報告によると
今いるクラスメイトの数は9人
30人学級なのでまだ半数の子達は来ていなかったみたいだ
運が良い事に、さっきの地震でけがをした子は一人もいなかったらしい
周りを見渡せばすぐに分かる情報だったが、その話を聞いたみんなは
ほっとしたのか、安堵の表情になったり、ガッツポーズを決めたり
喜びで泣いたりしていた
委員長はそんなみんなの様子をしばらく眺めた後
みんなが落ち着いたぐらいのタイミングで話を再開した
内容は教室の損壊具合だったりとか、教室に備えられていた"災害用備蓄"についての事、コンセントから電気がなぜか使える事など
教室”内部”の話をした
委員長の話を聞くまで、電気が通っている事は確かに知らなかった事だし
不思議な現象だと思う
だけどそんな事よりも私は"外"の情報が知りたかった
そう思っている事を表情から察したのか、委員長は電気が使える事をしり
スマホの充電を始めたりするクラスメイトをたしなめ
「ここからが重要な話よ!」と声を荒げてみんなを注目させた
委員長が調べた"外"の状況はこうだった
まず、現在地は見渡す限りの草原の中
バードウォッチング部の委員長が常備している双眼鏡やコンパスで辺りを調べると
北の方角には森があり、そこを抜けると壮大な山々が連なっている
東の方角はまだまだ草原が続いていて、西には海らしきものが見えたとの事
そして、南の方角には草原の先に村らしきモノが見えたらしい
その話を聞いて、クラスメイト達は助けを呼べると思い一斉に喜んでいた
当然、私も嬉しくなり隣りにいたサキと手を握り合い喜びを分かち合った
だが、委員長だけは違った
「みんな、静粛にしてください!!
そしてこれから言うことを落ち着いて聞いて・・・」
そう切り出した委員長は、その村について
とても信じられない情報を皆に告げた
「私が双眼鏡で見たその村には、5軒ほど家があったの
そして、村人がいないかそれぞれの家の窓を覗いていたら・・・
委員長は何かを思い出し、緊張した表情になり沈黙するが
緊張を緩和するために息を整えた後、話を続ける
「家の中には緑の化物がいたの・・・」
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