第139話 次の目的地
本日は二話更新です。
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『エルフォニアグランプリ』が終わって二か月が過ぎた。
少し戻るのに時間がかかったのは、国民議会が一段落するまでモーガンたち新しい国民議会の議員のボディーガードを『オリハルコンフィスト』が買って出たからである。
あまりの頼もしさに、議員たちからはいくらでも払うので、ボディーガードを延長してくれと言われたが、さすがに断ってきた。
さて。
ビークハイル城に戻ってきたリックたちは、いつものように共鳴現象を使ったマッピングの準備をしていた。
テーブルの中央に置かれているのは青く光る球体の宝石。
『六宝玉』の一つ、『青皇(せいおう)』である。
約束通りモーガンは、祖父の形見である『青皇』を渡してくれたのだ。
「十六方位の風、天地人の水、未来と現在と過去の光、放浪する我らの行く末に先達の一筆を賜らん」
そしていつものように『六宝玉』の共鳴を始める。
「第六界綴魔法『アース・マッピング』」
ミゼットの魔力が『青皇』を伝い、魔力複写紙に流れていく。魔力の流れた部分に黒い線が現れ、見る見るうちに地図を描き出していった。
地図に書き出されたのは、沢山の建物が並ぶ土地である。
かなり発展した都市のようであった。
王都か? と思ったが違うようである。
王都の10パーセントもの面積を占めるマルストピア城とその敷地が書かれていないのだ。しかし。他にこれほど建物が密集して立ち並ぶ場所は、マルストピア王国には無いはずである。
となると、お隣の『帝国』だろうか? それでも、これほどの発展具合となると帝都かそれに匹敵する大都会になるが……。
リックが首をひねっていると、隣にいるブロストンが「うむ」と一言唸った。どうやら、心当たりがあるらしい。
「ブロストンさん。この場所、知ってるんですか?」
「ああ。『ヘラクトピア』だな。南にある格闘興行の盛んな国だ」
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