青春の群像(第3部)25 ヤクザの件ですが総会屋の須藤は右翼系でして、皇国隊と言う右翼と親しいそうです、まあ、ヤクザみたいなもんですよと言ったのです、その隊員がその頃多摩地域に


青春の群像(第3部)25


ヤクザの件ですが総会屋の須藤は右翼系でして、皇国隊と言う右翼と親しいそうです、まあ、ヤクザみたいなもんですよと言ったのです、その隊員がその頃多摩地域にいたかは2年前の事、

なのではっきりしませんと言うので、それは蛇の道はヘビですから他に調べてもらいましょう、実は大変な事が分かったのですと、地図を広げて、幹線道路からのダムまでの資材運搬道路、

のルートとトンネルの話をすると、


山本がなる程あの黒部ダムを作った時も道路とトンネルを最初に作ったと聞いています、これだとゴミ集積場の用地の傍を通りますので、簡単に工事が出来ますね、又2人が見ていたのは、

トンネルの予定出口と言う事ですかと言うので、多分ゴミ集積場が棚上げになっているので、今回のダム建設の工事とダブルでやろうとしているんでしょう、それに気づいて坂井さんが後、

を付回して証拠を掴もうとしていたわけですね、


それで写真を取られた事を知り、須藤が坂井さんを呼び出して、待ち構えていた右翼の隊員が後ろから棒で殴り、気絶させて車であの展望台まで運び投げ落としたと言う訳ですかと山本が、

言ったのです、殺害場所ですが多分あの上の村の空屋でしょう、鑑識に調べてもらえば何か出てくるはずです、セットしたカメラには何も写っていないかもしれませんが、動くとしたら、

今日のはずです、


明日カメラからフイルムを抜き取り現像してください、フイルムを装着して暫く様子をみてくださいと頼んだのです、それでは右翼が多摩あたりにいた事があったか調べてもらいますと、

店を出て塚田のクラブに行って、ママに塚田さんに頼みがあるんですがと言うと、ハイ奥のボックスで飲んでいてください、いま連絡をとりますと言って、水割りを作ったのです、暫くす、

ると、


舎弟2人と現れて、今度は何を頼まれたのですかと聞くので、事件のあらましを話して、皇国隊の隊員を多摩で見かけた事が過去にあるかどうか、又軽自動車でこの展望台に行っている、

はずだが、誰か軽自動車を貸さなかったかと言う事です、普通車は通行不可能ですのでこちらから持っていったのではないでしょう、現地近くで調達しているはずです、レンタカーは足、

がつきますので、個人の持ち物だと思んですがと言うと、


わかりました、明日人をやって調べてみましょう、ヤクザと同じですから飲み屋街には必ず顔をだしているはずです、素人を捜すのは困難ですが、右翼やヤクザなら地元以外の人間がい、

れば直ぐに分りますし、二年まえでも覚えていると思いますと言ったのです、しかし、もうそこまで分析が終っているんですか、相変わらず凄い分析力ですねと塚田が言たのです、その、

土建屋も、


叩けば埃がでるでしょう、ついでに調べてみますよと言うので、写真を渡すと塚田が見ていましたが、この須藤はよく知っていますよ、こいつも私と同じ特攻くずれです、こいつは戦後、

大阪で愚連隊を組織して暴れていた奴です、右翼の組織を乗っ取り東京に進出して総会屋になり、皇国隊は奴の出身母体です、土地買収にはいつも顔を出す奴で、大物政治家とつるんで、

いますので、


検察も手が出せないのです、こいつとは国分基地で一緒でした、凄腕のパイロツトで敵機を撃ち落す、のが生きがいみたいな奴で、気に入らない将校がいると殴って、何回も営倉にいれ、

られていました、一度だけ空戦で撃墜されそうになったのを助けた事があります、そんな訳で私は少尉で彼は飛曹長でしたが、私には手を出しませんでした、戦後奴も連合軍の兵士の、

乱暴が気にいらずに愚連隊の組織を作り暴れていました、


戦争末期に特攻を送り出す司令官の大佐が訓示した後で、特攻隊の下士官が爆弾を命中させたら帰って来てもいいかと質問したら、帰ってくる者は国賊だと言ったので、須藤が前に出て、

大佐を壇上から引きずり降ろしてぶん殴ったので、参謀が止めようとしたら拳銃を引き抜き拳銃を参謀の頭めがけて発射したんです、玉は当たりませんでしが参謀は腰が抜けて立てな、

かったのです、


奴は大佐を二人乗りの爆撃機に引っ張って行き後部座席に乗せてバンドを閉めて、自分は操縦席に乗り離陸して、上空から急降下してを地上スレスレで引き上げて着陸すると、大佐を引き、

ずり降ろし、これが特攻隊員の死ぬ前の一瞬だと参謀達の前に行き一カツして兵舎にもどったのです、その日の特攻は中止になって、須藤は営倉おくりとなったが、質問した下士官は特攻、

隊から外され違う基地に移動させられたんです、


営倉からは直ぐにだされ、司令官は気がふれたのか病院に入院して二度と戻ってこなくて、それ以降士官は奴には何も言わなくなったと言う訳ですと言うので、なる程何も恐れない、

人なんですねと言うと、だから、あそこまで大物になれたのだろう、しかし悪い奴とつるんで人を殺したとすれば許しがたいと塚田が唇をかみ締めたのです、ところで移動になった、

特攻隊員はどうされたんですかと聞くと、


戦後生き残って確か今は貿易会社の社長をやっているそうだ、奴との付き合いがあるかどうかはわからないと言うので、でもそのお陰で生き残ったようなもんですね、その須藤とやらに、

会ってみたいもんですと言うと、真一君なら一発で奴は気にいるかもしれないねと笑ったのです、その話を聞く限りでは須藤が坂井さんを殺させたとは思われませんがと言うと、わしも、

信じられんのだよと言ったのです、


塚田がそれでは明日中にしらべます、結果はまたここでと言って席を立ち店を出て行ったのです、ママが今日も旦那は嬉しそうに飛んできましたねと水割りを作り真一さんがまるで自分、

の子供みたいね、ヤッパリ自分の子供が欲しかったんだわと水割りを飲むので、外にも子供はいないのですかと聞くと、私は作ってくださいと言っているんだけど、子供はあんまり好き、

ではないと言っているのよ、


私にず~と遠慮しているのねと言うので、それだけママを愛しているんですよと言うと、そうかしらと嬉しそうに笑ったのです、それでは帰ります、面倒な事頼んですみませんと言うと、

いいえ、いいんですよと言って外まで送って来たのです、外に出て小料理屋に顔を出すと、岬と美香が飲んでおり、岬があら事件は解決したのと言うので、そう簡単に終わりませんよと、

笑い席に座ったのです、


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