青春の群像(第3部)24 役場の環境課長の立場ですので、環境破壊に繋がることにもろ手を上げて賛成はできませんが、ダムが出来れば道路も広くなり、国から補助金も下りるので、少しは我慢


青春の群像(第3部)24


役場の環境課長の立場ですので、環境破壊に繋がることにもろ手を上げて賛成はできませんが、ダムが出来れば道路も広くなり、国から補助金も下りるので、少しは我慢しなければならん、

と最初は言つていたのですが、途中からあんな無謀な計画は許しがたいと強固に反対するようになったのです、何が原因かは聞いても言いませんでしたので分りませんと言ったのです、


三笠さんとは仲が良かったと言う事ですがと聞くと、とんでもない、あの三笠さんはこの町のはずれにゴミ集積場と処理場を作ろうと計画していたので、父がそんな事したら汚染水が川に、

流れこんで環境は台無しになり、一旦汚染されれば元に戻そうとしても何十年もかかると反対していたので、説得する為に一緒に酒をのんでいたのです、その場所は三笠不動産の土地です、


二足三文の山奥ですがゴミ集積と処理場は都が計画しているそうです、何処も引き受けてがないので、多くの補助金と買収費用も沢山出ると言う事だそうです、ダムに関してはそんなに、

強固に反対していたわけではないのですねと聞くと、一気に放水せず少しづつ放水すれば川原の環境は保てると言っていました、でも何でそんなに急に反対しだしたんですかね、そのゴミ、

集積場の予定場所はと、


地図を広げるとここですと言うので見ると、展望台の右奥の谷間です、よく見るとその谷間から小さな小川が流れて展望台の少し上に流れているのです、そうかそこにゴミ集積場が出来れ、

ばここに汚染水が流れるのか、ひょっとしてこのゴミ集積所とこのダムは抱き合わせで作るつもりなんでは、それに気づいた坂井さんは急に反対しだしたのか、この須藤との写真はゴミ、

集積場を見た帰りに、


問題になっている場所を見にきたのかもしれない、そうするとあそこは見にいっただけで何もないかも知れんなと思ったのです、しかし坂井さんを事故に見せかけて殺害しなければならな、

いほどの重大な理由とは何だ、都が作るのだから許可は出ているはずだ、後は一気に工事に着手すればいいのか、工事車両は沢山走らせることができるので工事をやってもわからないのだ、

途中で気づいても後の祭りと言う事かと思ったのですが、


今一すっきりしないのです、山本にそのゴミ集積場の計画はどうなっているのかを調べてくれるように頼んで、ともかく事件の匂いがしてきましたねと言うと、宜しくお願いしますと言う、

ので、やれるだけやってみましょう、あそこにカメラを仕掛けた事は誰にも喋ってはいけませんと言ったのです、それでは帰りましょうと多摩を出て一路東京に向かったのです、二時間で、

アパートに着き山本が今夜調べた結果を報告しますと帰って行ったのです、


風呂に行きサツパリして部屋で色々考えたのですが、どうしても動機が見えてこないのです、地図をみながらここにダムを作ると資材を運ぶ大型トラックず通る道が必要だなと見ていると、

今の村へ通じる道路は山肌を削って作ってあり、道路を拡げるとなると大変だなと思い、城田の自分の家の前の道路を拡張した時の事を思い出していたのです、家の前に回転盤の付い大き、

な車が駐車していたので、


工事の人に何をする機械か聞いたら、トンルを掘る機械だと言っていたな、これがあれば前を掘り進みながら回りを自動的なコンクリートで固めるので簡単にトンネルを掘れると言ってい、

た事を思い出だし、昔みたいに山肌を削ってつくると、がけ崩れの原因になるのでトンネルを掘るか、コンクリートを盛り上げせて道路を作ったほうが少し金はかかるが、メンテナンスが、

簡単で維持費が安いので、


それが現代風の工事だと言っていたがと思い、この下の幹線道路から作るとしたらこのゴミ集積場予定地を迂回してこの展望台の下にトンネルを掘りこの川原に出て、両脇の山肌を爆破し、

て川を塞ぎ、持ち込んだコンクリートと鉄コツで固めてダムを作れば簡単だな、そうかここはトンネルの出口にするのか、そうすればゴミ集積場に向かって道路を作ってもダムへの資材、

を運ぶ為だと言えば良い、


道路が出来ればゴミ集積場の囲いをコンクリートで作るのは簡単だな、トラックが何台も走るのだから、ダム用かゴミ集積場用の工事か判別つかないわけだ、これに坂井さんは気づき、

三笠に計画を実行するならマスコミにリークすると言ったのかもしれない、それで、ヤクザに言って口封じをしたわけか、ダムに皆目が行くので分らないだろうと思ったんだな、問題は、

ゴミ集積場の用地を都が買い上げているかどうかだな、


少しすっきりしてきたなと思い、夕飯を食べに近くの食堂に行きレバにら定食とビールを頼んだのです、叔父さんが真一君久しぶりだね、又どこかにバイトに行っていたのと聞くので、

勉強が忙しくてと言うと、ほう、勉強なんて真一君の口から出るなんて珍しいなと笑ったのです、食事をしてアパートでのんびりして時間になったので店に出て、皆を集めてハッパを、

かけて仕事にはいると、


店長が今日はテキパキしているではないのと言うので、美樹と別れて落ち込んでいた自分を忘れていたのに気づき、俺も厭なやつだな、あんなに落ち込んでいたのに直ぐに忘れるとはと、

思ったのですが、もうどうにもならないので諦めるかと開きなおったのです、岬がもう時差ボケは治ったのね、昨日は急な用事だと言っていたけど、又何か事件でも起こったのと聞くの、

でどうしてと聞くと、


事件を分析している時が真一君は一番目が輝いて見えるのよと笑ったのです、今日も忙しいのでしょうと言うので、ええ、と言うとそれでは帰国祝いは、その事件が片付いてからにしょう、

と言うので、ハイと返事したのです、店が終りトンボに顔を出すと山本が待っていましたよと言うので、ビールで乾杯して飲み干し、何かわかりましたかと聞くと、大物が出てきましたよ、

あの写真を科捜研で分析してもらいましたら、


あの後ろに写っていた人物は、体つきと背の高さから行って、与党の建設副大臣の山岡ではないかと言う事です、総会屋の須藤とは同郷ですと言うので、生まれはと聞くと、2人とも多摩、

町の出身です、選挙区は東京二区ですので違います、検察も須藤と親しい政治家としてマークしているそうです、それからゴミ集積場の件ですが前町長の時代に受け入れを表明して建設、

許可はおりているそうですが、


次ぎの町長選挙で前町長が敗れた為、棚上げになっていたそうです、しかし許可が下りているので工事を始めても法的な問題はないですが、住民がデモで工事を妨害する恐れがあると言う、

ので、都が延期しているそうです、あそこには農道しかありませんから工事をするには道路を拡張する必要があるそうです、道路用地は買収済みですが、ゴミ集積場用地は買収はまだとの、

事でしたと言ったのです、


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