シスターズ、集う


 167-①


 アルジェと別れたフリード達は次々と現れる剣影兵や槍影兵を蹴散らしながら城内の捜索を続けていた。


「フー君……アリー、大丈夫かな……!?」


 吸命剣・妖月を突き刺して、襲いかかってきた剣影兵の生命を吸い取りながら、フリードは不安がるクレナを励ました。


「大丈夫だ、アイツは見習いとは言え、この国の最強軍団の一員なんだぜ? そのアルジェが俺達を信じてくれたんだ、だから……俺達もアルジェを信じよう」

「……うん!!」


 長い廊下の突き当たり、一際大きな両開きの扉があった。


「よし、行くぞ皆……おらあっ!!」


 フリードは勢い良く扉を蹴り開けた。扉の向こうは、天井がドームになった二百人は収容出来そうな大広間となっており、そこには三人の女性がいた。《シスターズ》の01・02・03の三人である。


「ああん!? 何だテメェら!!」

「混乱に乗じたとは言え……よくここまで辿り着けましたね?」

「へぇ……わざわざ殺されに来たんだ♪」


 三人のシスターは、フリード達を睨み付けていたが、不意にシスターズ01が声を上げた。


「……んあ? おい03、お前のカイコウオウの気配が消えたぞ!!」

「はあ? 私のカイコウオウが、あんなゴミみたいな奴にやられたとでも? そんな事あるわけないじゃん♪」

「いえ、どうやら01の言った事は正しいみたいですよ?」

「う、うそ……」


 狼狽する03を、01は腹を抱えて笑った。


「ギャハハハ!! ダッセェ!! やっぱ私のクウレツオウが最強だな!!」


 そして、そんな01を02が冷笑する。 


「01、あなたの目は腐っているんですか? どう考えても最も優れているのは私のリクシンオウでしょう?」


 そして更に、そんな02を、03が鼻でわらう。


「バッカじゃないの♪ 最強は私のカイコウオウなのに♪」


 シスターズの間に緊張が走る。


「あぁん!?」

「……は?」

「何か文句でもあるの♪」


 三人はバチバチと鋭い視線を交わした。


「上等じゃねぇか……だったら、誰の聖獣が最強か決めようぜ!!」

「それなら、あそこにいるゴミを誰の聖獣が一番多く殺すかで決めましょう?」

「いいねそれ♪ 楽しそう♪」


 シスターズの三人は、フリード達に向き直ると、それぞれが持つ水晶の像を取り出した。


 ガラス張りの天井から射し込む太陽の光が、水晶の像を透過し、床に影を作り出す。


「出ろッッッ!! 赤影聖獣・クウレツオウ!!」

「出番ですよ? 黄影聖獣・リクシンオウ!!」

「やっちゃえ♪ 青影聖獣・カイコウオウ!!」


 三人の投げた操影刀が水晶像の影に突き立ち、怪物が姿を現した。


 クウレツオウが 現れた!!

 リクシンオウが 現れた!!

 カイコウオウが 現れた!!


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