少年の破瓜

自らの臀部を撫でてみる

張りのある曲線をなぞってみる

自らの乳首をつねってみる

膨らみのない平らな胸の点をつねってみる

自らの腹をまさぐってみる

つややかでしなやかな腹を撫でてみる。

この最も甘美な肉体への愛慾

わたしは性の主体として

また同時に性の客体として

愛の循環の中で快楽に悶える。

下腹部の柔らかな膨らみは

丁度掌に収まる程に

下着のすぐ下で盛り上がっている

わたしは下着に手を入れ優しく愛撫してみる

愛撫してみる。

慾望はわたしの身体の中を循環して

慾望の回路はショートして

身体中がまどろみのように熱を帯び

口に咥えた二本の指からは血の味。

わたしはわたしの肢体に少年の破瓜をみる

無機質な鉱物を粉々に砕くような破瓜

砕いた鉱物を宝石に磨き上げるような破瓜。

わたしは流れ出した血を唇に塗って

手の甲にキッスマークをつけてみた。

そして血を

張りのある引き締まった臀部に

膨らみのない平らな胸に

つややかでしなやかな腹に

塗りつけてみる、塗りつけてみる。


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