アンモナイト・ダイヤモンド

ああ、昼間の青空にぷかぷかと浮かぶ月というのは、焼かれた骨のような色をしているなあ。

ほら、月の光ばかり浴びていた隣の席の山田くんが狂ってしまった。


ああああ

お前はアンモナイトか!

お前はアンモナイトか!

せめてオウムガイになれ!


アンモナイトじゃないだろ!

じゃあ一体俺は何者だ!


アンモナイトは月の光のニセモノだ

ルビーは太陽の輝きのニセモノだ

ラピスラズリは星空の輝きのニセモノだ

ダイヤモンドは海の煌めきのニセモノだ


ダイヤモンドのつもりか!

ダイヤモンドのつもりか!

ダイヤモンドになんかなるなよ

ヒアシンスになれ、アネモネになれ、スイセンになれ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る