ラウンドテールグラミー
性格はベタに近いグラミー。
近い種類にパラダイスグラミーがいる。
できれば英名のラウンドテールの名前が一般化してほしいサカナ。なぜかというと和名がフナではないのに「チョウセンブナ」である。おそらく朝鮮半島から来たことで向こうでは珍しくもないという意味で、似てもいないのにこの名前がついたのかも。本種を熱帯魚店で探す時は「チョウセンブナ」であるが、筆者としては「グラミー」としての名前を一般化したい。
また、英名はパラダイスフィッシュの仲間として扱われる通り、本種とタイワンキンギョの和名をもつパラダイスグラミーは極めて近い種類である。さらにあえて触れておくが、生物学的には本種もタイワンキンギョもれっきとしたグラミーの仲間である。海外のグラミー好きの方は本種をグラミーとして認識しているが、日本の熱帯魚情報ではブームが急激に加熱し冷めた影響でサカナの名称や知識が共有されず中途半端になってしまっている。そんな中途半端な扱いを受けているマイナーなサカナが本種である。
混泳に関しては不向きだが可能。例えるなら見た目はグラミー、中身はベタ。
何よりも本種がグラミーの仲間であることから性格による個体差の大きいサカナであるのが厄介なところ。ベタと他のサカナの混泳と同じく博打に近いものがあることに注意。特にグラミーの例に漏れず、微生物や水性昆虫とエビなどに興味を示し、捕食しようとする肉食魚なのでエビとの混泳はかなり危険である。だが、人に慣れるサカナなのでエサが十分にもらえるうえに環境がよければ、エビをはじめとする混泳相手に手出ししない可能性も十分にある。
おまけとして、本種の飼育難度は極めて低い。なぜならエサの好き嫌いはない肉食寄りの雑食性で、グラミーの仲間の中でもラビリンス器官が発達している本種は、ベタのように水中よりも空気中から酸素を取り込むことができるうえに、朝鮮半島や戦前に国内に持ち込まれて帰化したものが一部にいるほど寒さにも強いという熱帯魚の中でも異質なサカナである。
ただ、帰化している本種は野生に戻りきって人工餌に餌付かないなどクセが強いうえに、だいぶ昔に居着いた外来種ということで立場が曖昧で詳しい調査がなされておらず、責任をもって管理できないなら野生個体の採集はしないように。
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