チョコレートグラミー

 チョコレートというよりティラミスのような見た目の茶色に白い縦縞を持つ不思議な見た目のサカナ。なお、サカナなのでチョコレート要素は見た目だけである。

 混泳に最も向くグラミー。だが、飼育難度が高い。


 飼育難度の高さは水槽環境を一定に保ち続ける必要性の一点のみで、それさえなんとかすれば色合いからは思いもしない水槽のメインキャラクターになる。この水槽環境の維持とは昔は弱酸性の水質の維持がカギとされていたが、それよりも水換えを必要としない一年以上維持できている水草水槽である方が重要である。これは、毎日コップ一杯程度のたし水で蒸発分を補う以外は濾過装置の掃除ぐらいで、他は水槽内の生き物たちに任せる方法である。この方法は池や湿地帯に棲むサカナとの相性が極めて良いので、健康で色鮮やかになりやすいこともありおすすめ。


 注意点はやはり水である。水槽に入れる際の水合わせは他のサカナの三倍くらい時間をかけて行わないと翌日には死んでしまうほど繊細で、水槽内の水換えとして水を三分の一程度替えるように初心者向けの本には記載されているが、それをやると本種はショック状態になり急激に弱ってしまう。だからこそ一日一回、コップ一杯の水をそっと入れてやる程度にして水換えを控えなければならない。

 特に塩素は厳禁である。水道水には必ず含まれているので、一日汲み置きして塩素を飛ばしたうえで市販のカルキ抜きを入れる徹底さが要求される。


 上述の通り、最も注意すべきは飼育水だが、この他にも慣れるまでは神経質でストレスに弱い。この対策としてゴールデンハニードワーフグラミーを入れておくと仲間がいて安心するのか、エサの好き嫌いや神経質さがなくなるのでおすすめしておく。この二種は見た目が違うのだが、お互いに気を遣い合うので何らかのコミュニケーションがとれるらしい。なお、同種多数飼育をすると上下関係ができるので、混泳水槽ならば本種は一匹だけにしよう。


 おまけとして、このサカナはオスが自分の口の中で卵を守る、マウスブリーダーという珍しい種類である。飼育下でも繁殖するのでその様子を見てみたいが、混泳水槽が優先なのでしばらく先のことになりそうだ。

 

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