25年ぶり

第1話

　昔々・・・いやいや四半世紀前？

　高校生だった私にギターを我が家に持ち込み

弾いてくれた人は今どうしているかしら？

　うーん、思い出す暇も無かった。

　夢を見ていたのか、はたまた目を逸らしていたのか？と

家に帰るなり抱えていたのに。ギターをね・・・。

　就職して、結婚して、子供が生まれて。

　20歳の時、白のストラトは友達の弟に

えんじ色のＳＧとエフェクター（音を変える道具）アンプ(音を鳴らすスピーカーみたいなの）ちゃんと弾いてくれそうな人に嫁がせた。

　誰かは言えないけどね(笑)

　ただただ、1本。

　何故か捨てず、ＳＧの黒はクロゼットの中にしまってあって。

　手の小さな私には当時グレコで有り難いガールズバンドＰのモデル仕様。

　Ｐのコピーはして無かった私が即予約。

　そんなＳＧに、今年新しい6本の糸が結ばれた。

　ネックも反って頼りないけど。

　最初は私じゃない人が奏でるために結んだ糸。

　それを機に、きれいに装飾された指先をネイルサロンで

ギリギリまで短くしたのは翌週のこと。

　25年たった私は45歳。

　もう一度重ねたい。音も、心も。